日々の暮らしにおける「支出をコンパクト」にするため、きっと多くの人が毎日できる節約をしていると思います。ただ「毎日」という視点ではなく、「老後」や「自分が去った後」のことについてはどのくらいコンパクトにできているでしょうか。
子どもに負の遺産を残すことのないように生活のムダを減らす方法を、ファイナンシャル・プランナーの丸山晴美さんに教えてもらいました。
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生活のムダを減らし、少しでも豊かにするために、皆さんはどんなことをされているでしょうか。「電気とガスの契約を一本化して利用料金を少しでも安くしている」などのように、いろいろな努力をされていることと思います。実は、家の住み替えや家電製品の小型化など、暮らしをコンパクトにすることで、節約できる上に、将来的に子どもにも迷惑をかけない生活を手に入れることができるのです。
例えば、現在住んでいる一戸建てを売却し、駅に近い中古マンションに住み替える方法です。「駅から離れている場所に購入した一戸建ては、売れるうちに売却し、駅近の中古マンションを購入します。駅近ならスーパーや病院も近くにあるでしょうから、車も不要になり運転免許証も返納できます。部屋が小さくなれば、家電製品の買い替え時期に小型化できます」とファイナンシャル・プランナーの丸山晴美さんは話します。
元気なうちに住み替えができれば、荷物の整理もできるでしょう。特に、戸建てに住んでいた親が亡くなった後の荷物の整理は大変です。また、親が亡くなった後に家が処分できないと空き家となり、子どもに負の遺産を残すことにもなりかねません。
中古マンションを購入する際、現地に足を運び、ゴミなどが散乱してないかなど自分で確認することはもちろん、管理組合がしっかり機能しているのか、管理費や修繕積立金の滞納はないのかなどは、仲介会社の担当者に必ず確認しておきましょう。
ついでに、中元や歳暮なども見直し、この機会に人間関係も見直すきっかけにしてみてはどうでしょうか。お付き合いなどもコンパクトにすれば、新しい生き方が見つかりそうです。
義理で習慣化していた中元や歳暮を見直しし、その代わりに葉書きなどに切り換えてみてはどうでしょうか。
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取材・文/金野和子 イラスト/坂木浩子