「年なんだからもう使わないでしょ」はNG! 「実家の片付け」をするときの心構えとは?

「年なんだからもう使わないでしょ」はNG! 「実家の片付け」をするときの心構えとは? pixta_20151817_S.jpg離れて暮らす親の家が、知らない間に物であふれていませんか?
実家の片付けは親の安全な暮らしを守るうえでとても大切なこと。しかし、家族だからゆえいさかいの原因にもなりかねません。そこで、実家の片付け講師として活躍する渡部亜矢さんにお話を伺いました。

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前の記事「「転倒」は自宅で多く発生している! 親が安心・安全に暮らすための「実家の片付け方」とは?(1)」はこちら。

 

「片付けさせて」という姿勢こそが重要です

片付けるときの態度は、けんかにならないよう配慮が必要です。
「ご両親に片付けを"させる"という意識で強制するとけんかになってしまい、親子断絶になるケースもあるんです。あくまでも片付けを"させてもらう"という気持ちで行うことがカギになります」と渡部さん。

それは気付かぬうちに言葉に出ていることもあります。例えば「どうせ着ないんでしょ」「汚い!」「いつか使うって、いつよ」といった言葉は、悪気がなかったとしても相手は人格を否定されたような気持ちになります。

「『つまずいて転ぶと心配だから片付けようね』『当分使わなそうだから上に置いておくね』というように、ご両親が心配だからという理由を先に伝えて、だから片付けさせてね、という気持ちで臨むのがベストです」

また、親の家の主はあくまで"親"です。親の考えを聞かずに物を捨てたり動かしたりしてはいけません。勝手に片付けて気分がスッキリするのは、子どもだけ。親は物がなくなって悲しくなり、心の隙間を埋めるためにまた買い物をしてしまうことも...。
「子ども世代からすれば古いだけの物も、ご両親には思い出のある大切な品です。また、家具などを勝手に動かすと、認知機能が衰えている場合は日常生活に戸惑う場合もあるので気を付けましょう」

 

◆ポイント1「親にとっての"暮らしやすい家"を目指しましょう

大切なのはきれいにすることではありません。ケガや事故が起きにくい、掃除がしやすいなど親にとっての暮らしやすさを考えましょう。
□ つかまりやすい
□ 物が探しやすい
□ 薬が飲みやすい
□ 物は出しやすく、しまいやすく
□ つまずかない
□ 掃除がしやすい
□ 寝室→トイレの安全な動線
□ 眼鏡や補聴器が手元にある

 

◆ポイント2「"片付けさせてもらう"気持ちでやりましょう」

「片付けてあげる」と押し付けて行動しがちですが、「片付けさせてもらう」というように、親の意思を尊重することを忘れずに。

<言いがちな言葉>
□「~させる」「~してあげる」という考えは捨てましょう。
□ 親の習慣を尊重しましょう。
□ 自分の価値観を押し付けないようにしましょう。
□ ゴール(目指す片付け)を共有しましょう。
□ 親を否定する言葉を避けましょう。
「年なんだから、もう使わないでしょ!」⇒「防犯上よくないから、これは片付けようか」
「この箱、邪魔!」⇒「転ばないようにこの箱はどけようね」
「こんなにたくさん、ムダでしょう!」⇒「当分は買わなくていいね」

次の記事「実家の片付けは長期戦! まずは親の「思い入れ」の少ない場所から手をつける」はこちら。

 

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<教えてくれた人>
渡部亜矢(わたなべ・あや)さん
神奈川県生まれ。実家片づけ整理協会代表理事。高齢化に即した「実家片づけアドバイザーR」育成講座などを行う。『カツオが磯野家を片づける日~後悔しない「親の家」片づけ入門』(SBクリエイティブ)など著書多数。

 

取材・文/中沢文子

 

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この記事は『毎日が発見』2018年10月号に掲載の情報です。

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