ほとんどが親と別居している今の40~60代。働き盛り&子育て真っ最中なのに、突然、親に介護が必要になったらどうすればいい? 介護の制度やお金のことなどがわかるガイドブック『図解とイラストでよくわかる 離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本』(角川SSCムック)より知っておきたいこと&聞きたいことを抜粋してお届けします。
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【最初から読む】月額平均約7.5万円!? 家族が賄う親の介護費用/離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本
要介護者の約44%は84歳以下!
介護が必要となった原因の1位は「認知症」
世帯の半分は1人または2人世帯
介護の始まりには、主に3つのパターンがありますが、実際に介護が必要になった原因について見ていきましょう。
下図は、厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」で報告された65歳以上の要介護等の人の介護が必要になった原因の順位です。
介護が必要となったきっかけは?
65歳以上の人が介護が必要になった理由の1位は認知症です。男女別でみると男性は脳血管疾患が26.0%と女性の11.0%の倍以上となっており、女性は認知症が男性より5.7%多く、性別によって原因の1位が異なります
厚生労働省 「2019年 国民生活基礎調査」
認知症が第1位で、続いて脳血管疾患、高齢による衰弱と続きます。
また、要介護者のいる世帯のうち28・3%は単独世帯で、22・2%は夫婦のみの世帯。
主に介護する人については、同居する配偶者が23・8%と最も多くなっています。
介護される人とする人の組み合わせを年齢階級別にみると、介護される人が70~79歳の場合、介護する人も70~79歳が最も多く、70代の介護は夫婦2人でどちらかがどちらかを看るパターンが多いようです。
介護される人が80~89歳と年齢が上がると、介護する人は50~59歳が多く、子ども世代が看ていることがわかります。
親が元気なうちに介護について考えよう
厚生労働省の「介護保険事業状況報告」によると、平成30年度末現在での、要支援・要介護認定を受けている65歳以上の人は、645万人います。
要介護認定を受けている人のうち、要支援1・2を除く、要介護1~5の人は、65歳以上85歳未満の割合が43・6%、85歳以上が56・4%とその半数以上を占めるというデータがあります。
また、75歳以上の全人口の中で要介護者が占める全体の割合は約3割というデータ(下グラフ参照)もあります。
75歳以上の高齢者の3割が要介護認定という結果に!
出典:厚生労働省 「平成29年8月 介護保険事業状況報告(暫定)」
【ポイント!】
親が75歳以上だと要介護になる可能性が高まるということ。連絡を密にするよう心がけましょう
介護が始まるきっかけは、年齢だけではありませんが、親の年齢が75歳を過ぎたら親の介護が必要になる可能性があることを認識しておくといいでしょう。
自分の親の介護が必要になることは誰にでも起こる可能性があり、いつ起こるのかは予測がつきません。
そのときが来ても慌てないように、情報の収集をしておくように心がけましょう。
介護期間は平均約4.7年
介護をする期間には、「〇年後に終わる」という制限がありません。
下は、介護をしていた、している人が介護を始めてからの期間を表したものです。
平均は4.7年程度ですが、4年から10年未満が最も多く10年近く介護生活が続くことも珍しくないようです。
出典:公益財団法人生命保険文化センター 「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」介護期間の分布より
【次回】60歳で働きながら同居。認知症の母を7年介護/離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本
【まとめ】「離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本」記事リスト
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