プロとしての家事の仕事って?家事代行会社で働く主婦4人の座談会/ちょこっと稼ぐコツ

60歳をすぎても、「今日行くところ」と「給料日」がある......これって思った以上に幸せなこと。趣味に、おけいこに、交友関係にと、老いの時間を豊かに生きるためには毎月ちょこっとでも現金が必要。「年金だけでは暮らせない」と不安に怯えるよりも、仕事を探して働きませんか。いきいきと働くシニアに取材して、仕事を得るノウハウや、自分らしく働き続けるコツを、実例を交えてご紹介します。

※この記事は『65歳で月収4万円。 年金をもらいながら ちょこっと稼ぐコツ』(阿部絢子/KADOKAWA)からの抜粋です。

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仕事内容:食事の準備(買い物・調理・後片付け)、掃除、洗濯(洗い・干し・取り込み・たたみ・アイロンがけ)、買い物代行、クリーニング受け渡し、キッズシッター、シルバーサポート(介護保険適用以外のもの)、ペットの世話、手続き代行(役所関連)など
時給:関東エリア1500円~、関西エリア1300円~ *経験。実績・評価に応じて昇給有り
勤務時間:9:00~20:00の間で2時間以上

60代の人が家事代行を担って多く働く、(株)パソナライフケア。

ここでは、座学や実技研修をクリアし、プロとしての家事スキルを習得した人たちを採用し、一般の家庭に派遣する「家ゴトConcierge(コンシェルジュ)」サービスを提供しています。会社設立当初から現在まで、この家事代行の仕事を長年続けている4人の女性に集まってもらい、仕事に関する話を伺いました。題して、「働く主婦たちの座談会」。

 

Q みなさんが、パソナライフケアに応募しようと思ったきっかけは?
  働いて、何年になりますか?

Hさん(55歳) 私はたまたま見た新聞広告で見つけました。家事の仕事で、しかも時給が1500円と書いてあったので、目に留まりました。4人子どもがいますが、ちょうど下の子が小学3年で、ちょっと働きたい、と思っていた時期で。家事、育児援助ならできると、面接に伺いました。

Kさん(67歳) 私は、他社よりすごく時給がいいと、お友だちに聞いて。家事でこんなに時給をいただけるのかと、ちょっと信じられない感じはありました。ライフワークの合間に、少し仕事ができればいいなと思っていたのと、ライフワークを続けていくためにも、時給が高いのは助かるなと思い、登録しました。

Tさん(70歳) 私がKさんに、この仕事をすすめた友だちなんです。私は、スキルアップのため、パソコン教室に通っていたんですね。そしたら、隣の方が「私のお友だちが、こちらに登録しているの。Tさん、家事お嫌い?」って尋ねてくださって。「パソコンよりは好きかな」って正直に答えたら、「その友人が、とても楽しくお仕事ができる環境だと話していたからどうかしら」とすすめられて。その方のサポートもあって、登録に行きました。

Iさん(48歳) 私は、以前関西に住んでいて、下の子が小学校に上がるころ、短時間でできる仕事をしたいと、家事手伝いの仕事を始めました。夫の転勤で東京に戻り、少しブランクはありましたが、求人広告を見て、時給がよく、会社がしっかりしている、安心して仕事ができるんじゃないかと、応募して面接を受けました。こちらで仕事をするようになって、2年半です。

Hさん 私は、パソナライフケアが家事代行サービスをスタートさせたときから働いているので、12年目になります。家事代行スタッフの1期生で、この会社と共に成長してきたという感じですね。始めたころは、もうちょっと髪の毛が黒かったのですが、いまでは大分、白髪になってしまいました。

Tさん 10年くらい前、私はこちらの前に、家政婦協会でお仕事していました。しかし、そこがあまりしっかりしていないというか、パソナライフケアのほうが活発でしたので、こちらをメインに活動するようになりました。最初の実技研修が外国人のお客様だったことを思い出しますが、それ以来、ずっとお仕事をしております。

Kさん 同じように、働き始めて10年が経ちます。そんなに頻繁に仕事は入れていないのですが、細く長く活動しております。

 

Q 家事代行の仕事を続けてこられて、思うことは?
Iさん 私たちのサービスでは、基本的にお客様が普段お使いになっているお掃除セットを使わせていただき、お掃除をしています。あるご高齢のお客様のお宅でお掃除させていただいたとき、布がきれいに切って置いてあり、「使い捨てに」とおっしゃってくださって。それが、とても使いやすくて感激しました。モノは大切にしなくてはいけないな、と勉強になりました。

Hさん 毎週伺うお宅もあれば、週1回、2週に1回、月1回というお客様もいらっしゃいます。8~10年通っているお宅が、その内、半分くらいあります。それぞれ、お掃除から猫・犬・金魚のお世話まで、さまざまな内容ですね。私は、人のお役に立てて、笑顔で喜んでいただける仕事がしたかったので、大変楽しいですね。また、長年仕事をしていれば、そのお宅ごとに勝手が違うので、そこで経験したことが、自分の知識と糧にもなります。

Kさん 最初は、よそのお宅に入るということに、少し抵抗があったのですが、いろいろなライフスタイルのお宅を拝見できるので、いまは面白いです。自分の中で固定観念があることも、この仕事を通して、そんなことにこだわらなくていいんだなとわかったり。あるいは、この部分を私はもっときちんとしたほうがいい、などと思うこともあり、非常にためになります。

Tさん この仕事を、とても楽しんでいます。一人で行うことが多いので、自分で集中してきれいにお掃除をすれば、お客様にとても喜んでいただける。それが、すごく気に入っています。

Iさん 98歳のおばあちゃまのところに伺わせていただいており、とても刺激になります。98歳で、パソコンでフェイスブックをされいて。「私も、勉強しなきゃ」と思います。先日、初めてサービスを利用されるお客様のお宅に伺ったところ、「Iさん、次からうちに来ていただける?」と言っていただいて、すごくうれしくて。「ああ、やっと一人前になれた、お客様に認めてもらえた。すごく、うれしい! 本当にありがとうございます!」という感じです。

Hさん お掃除や洗濯をして、「Hさんに頼んでよかったわ。とてもきれいになったわ」と、笑顔で言っていただけることが、一番うれしいですね。

 

みなさん、家事代行の仕事に誇りを持って働いていらっしゃいます。長きにわたって勤められていることが、その表れといえます。
お客様に喜んでもらえている、人の役に立っている。これが、仕事を続けていく秘訣といえるでしょう。

 

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阿部 絢子(あべ・あやこ)

1945年新潟県生まれ。生活研究家。洗剤メーカー勤務を経て、百貨店の消費者相談室に30年間勤務し、現在に至る。家事研究の第一人者として、食・掃除・洗濯・整理収納・片付けから環境問題まで。生活全般にわたる豊富な知識と実践的なアドバイスは幅広い世代から支持されている。近著に『老いの片付け力』『60代の生き方・働き方』(共に大和書房)がある。

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『65歳で月収4万円。 年金をもらいながら ちょこっと稼ぐコツ』

(阿部絢子/KADOKAWA)

年金暮らしは、なんと人生の3分の1を占めるほどの長さ。「年金だけでは暮らせない」と不安に怯えているよりも、仕事を見つけて毎日ちょこっとでも現金を手に入れませんか。ちょっとの現金が趣味やおけいこ、交友関係と、暮らしをより豊かにし、ゆとりを産んでくれるのです。なにより、いくつになっても「今日行くところ」と「給料日」がある幸せは大きいもの。いきいきと働くシニア世代に、仕事を得た方法と働き続けるコツを取材。シニアを受け入れる企業や一緒に働くヤング世代の声、働きたいシニアをあと押しする公的支援などの情報もまとめました。これから年金生活を迎えるみなさんが、自分らしく働き続けることができるためのノウハウが詰まっています。

この記事は書籍『65歳で月収4万円。 年金をもらいながら ちょこっと稼ぐコツ』からの抜粋です

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