定年後はどんな生き方が理想?やりがいのために働き続ける人が増加中

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「定年後は悠々自適な余生を送りたい!」という人もいれば、"やりがい・生きがい"を求めて再就職を目指す人も。そんな中とある企業では、ビジネスパーソンが定年後も活躍できる場の提供を始め話題になっています。

「グランドキャリア制度」って一体何?

6月1日、スーツなどの販売を行っている「はるやま商事株式会社」が「グランドキャリア制度」を導入しました。「グランドキャリア制度」とは60歳以上の従業員を対象とした、長年の就業ノウハウを活かし活躍できる新たな社内制度。定年後も"生きがい"のために再雇用を希望する人から注目を集めているようです。

同制度の雇用形態は嘱託社員かパートタイマーで、担当業務は「品質管理」と「内部監査」の2種類。「品質管理」は顧客対応の経験が生かせる仕事で、商品の色ムラや縫製などを取引先でチェックするという業務内容です。「内部監査」では全国の店舗に配置され、監査のほか商品の販売などを担当。同社では以前から年に1回のペースで内部監査を行っていたそうですが、新制度の導入に伴い2~3回の実施に変更しました。

近年では定年後も仕事にやりがいを見出すシニア人材が増えている模様。内閣府が公表した"高齢者の就業"に関するデータによると、「労働力人口に占める60歳以上の比率」は年々上昇中。2016年のデータでは、労働力人口6,673万人のうち540万人が「60歳~64歳」となっています。

実際にネット上でも、「会社辞めても何かしたいことがあるわけでもないし、出来れば再就職して活躍したい」「せっかく身につけたノウハウを生かせなくなるのは寂しいな」といった声が。また「年金の額に不安があるから定年後も再就職して働きたい」という不安の声も上がっていました。


定年後の生活に不安を覚える人々

最近は定年後の生き方に不安を抱いている人も少なくないようで、世間では"定年本"がブームの兆しを見せています。6月4日の「おはよう日本」(NHK)でも"定年本"を特集。番組によると、ブームの先駆けとなったのは『終わった人という小説で、6月9日には映画版が公開されました。

なぜ"定年本"が流行りつつあるのでしょうか。「おはよう日本」で紹介された法政大学の諏訪康雄名誉教授によると、この"定年本"ブームの背景には平均寿命が延びたことがあるそうです。昨今は『人生100年時代』と言われている一方で、「年金はもらえるのか? 医療費の負担が今後増えるのではないか?」といった不安を抱える人も。そのため、老後のライフプランについて「何かヒントを得たい」という人が増えていると指摘されています。

医療の発展に伴い定年後の人生が"長く"なっていることも、「グランドキャリア制度」のような働き方が登場した理由なのかもしれません。

文/藤江由美


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