「自分の考え」を本にしてみない?人生100年時代を楽しく生きる「作家型人生」のススメ

定年退職の後や年金受給の時期など、考えなければならないことが山ほどある「老後の暮らし」。哲学者・小川仁志さんは、これから訪れる「人生100年の時代」を楽しむには「時代に合わせて自分を変える必要がある」と言います。そんな小川さんの著書『人生100年時代の覚悟の決め方』(方丈社)から、老後を楽しく生きるためのヒントをご紹介。そろそろ「自分らしく生きること」について考えてみませんか?

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読書感想文は簡単だが、それだけでは...

人生100年時代は、社会や世間の軸ではなく、自分軸で生きるべき。

それを象徴的に表すとすれば、読書型ではなく作家型で生きるということになるでしょうか。

本とは何かと問われれば、私たちは読むものだと答えるでしょう。

それが普通の考え方です。

誰かの考えや意見を参考にするためです。

もちろんそれはすごく大切なことですが、ただ読むだけでは受動的な営みで終わってしまいます。

だから読書をした後は、自分ならどう考えるかといったように自分に落とし込む作業が必要なのです。

それが読書感想文です。

小学生の頃から、本を読んだ後はそれについて感想を書くという習慣を身に付けさせられたはずです。

そうして私たちは、わざわざ書かずとも、自分だったらどうするかとか、これをどう生かせばいいのかという発想を自然にするようになります。

でも、本当に自分の考えを表すためには、単なる感想にとどまるのではなく、自分自身が本を書いてみるのが一番だと思います。

知識としてほかの本を参考にしながら。

高校生までの作文、そして大学生になって書くレポートなどはそうした営みに似ています。

そして、中には実際に本を書く人も出てきます。

自分の考えをまとめたいという思いからでしょう。

人によって評論であったり、エッセーであったり、あるいは小説の形式で書く人もいるかもしれません。

自分の考えをまとめる習慣を身に付ける

実は本を書きたいと思う人は、本を読みたいと思う人よりもたくさんいるといわれます。

本を出版するのはマーケットがあるので大変ですが、書くだけなら誰でもできます。

いや、自費出版という形であれば誰でも出版することさえできます。

ネット上で発表するのなら今すぐでも可能です。

ただ問題は、時間がないことだと思います。

本を書いている余裕なんてないと。

そこで人生100年時代の登場です。

時間はたっぷりあると思えばいいのです。

引退後でもいいですが、そこまでとっておかずとも、今からやればいいのです。

多少時間を使ってでも、自分の考えをまとめるという営みはやる価値があると思います。

作家型人生と表現しましたが、別に本当に作家になろうという話ではなく、あくまで自分軸で考えやストーリーを組み立てていく人生を歩みましょうといいたいのです。

自分の人生は誰かが書いたものではなく、また誰かが書いた人生を読む過程でもないはずです。

自分の人生を自分で書く過程こそが、生きる過程だと思うのです。

それはまさに私たち一人ひとりが、自分の人生の作家になることを意味するのです。

私は37歳の時に最初の本を書いて作家デビューしました。

奇しくもその時から、ようやく自分軸で生きられるようになった気がします。

自分の考えをまとめる習慣ができたからだと思います。

すべてを本にするわけではありませんが、自分の気になったことについては、少なくともあらすじのようなものをメモするくらいはします。

このように、自分軸で生きるというのは、人の考えに自分を当てはめるのではなく、自分自身の考えをゼロから生み出していく生き方にほかなりません。

さあ、あなたにとっての人生100年時代はどんな物語になるのでしょうか。

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117-H1.jpg哲学者が語る20の人生訓や新時代への考え方など、人生を豊かにしてくれる言葉が全5章にわたってつづられています

 

小川仁志(おがわ・ひとし)
1970年京都府生まれ。哲学者・山口大学国際総合科学部教授。京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。大学で新しいグローバル教育を牽引するかたわら、「哲学カフェ」を主宰する。NHK・Eテレ「世界の哲学者に人生相談」に指南役として出演。最近はビジネス向けの哲学研修も多く手掛けている。

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『人生100年時代の覚悟の決め方』

(小川仁志/方丈社)

現在40歳の人の平均余命は残り44年。人生もう1回分あるのが今の時代です。これまでの価値観や方法は通用しないかもしれません。時代の変化に合わせて、自分を変えて、老後や余生を自然体で生きれるように。これからの人生を準備するための一冊です。

※この記事は『人生100年時代の覚悟の決め方』(小川仁志/方丈社)からの抜粋です。

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