<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ちもて
性別:女性
年齢:52
プロフィール:子育て終了!勝手気ままに暮らしたいぐうたら主婦です。
今から10年程前、義母の実父であり夫にとっての祖父が亡くなった時のことです(ここではわたしと夫からの目線で祖父祖母と呼称いたします)。
その数年前に母親(祖母)を亡くした際、遠く離れて暮らしていた義母(当時60代半ば)はその最期を看取ることが出来ず、ずっと悔やんでいました。
ですので、かなり高齢の祖父が入院したと田舎の兄妹から知らされた義母は、祖母の時の二の舞にはしたくないと、勤めていた会社に休職願いを出してまで祖父に付き添い看病をしました。その間わたしと夫もお見舞いに行きましたが、義母は寝る間も惜しんで献身的にお世話をしていたのを覚えています。
義母が休職して看病を始めてから3カ月ほどして、祖父は息を引き取りました。
お盆のことでした。
この時わたしたち家族はタイミング悪く旅行中で、旅先でその訃報を知り、祖父の葬儀に列席することができませんでした。
ですので、帰宅したその足で田舎へ直行し、仏壇に手を合わせていると、そこで義母の長兄から、祖父の臨終をめぐる騒動を聞かされました。
祖父危篤の知らせを受けた次兄家族が病院へ来ると、二人は義母をねぎらって「今まで大変だったでしょう。わたしたちが来たからもう大丈夫。
今のうちにお風呂でも入ってゆっくりひと眠りしてて」と、さも親切そうに勧めたそうです。
次兄夫婦は、それまで祖父の面倒をすべて義母に任せ、お見舞いにもきていませんでした。
義母は、今にも息を引き取りそうな祖父を置いて休んでいる場合ではないと抵抗したらしいのですが、なんやかんやと義母を強引に病室から追い出したそうです。
そしてなんと、その直後に祖父が亡くなってしまったのです。
臨終に立ち会った次兄夫婦は、まるで自分がずっと付き添っていたかのように医師の説明を聞き、号泣したそうです。
次兄夫婦のせいで、義母はまたしても親の最期に立ち会えなかったのです。
悔やんでも悔やみきれなかった義母は、葬儀が終わった後その思いのたけを次兄夫婦にぶつけました。
お互いヒステリックに罵り合い、取っ組み合いになるかというような場面で、その次兄の妻は「あんたのとこの息子家族はお盆休みに田舎へ戻りもせずのんきに旅行なんかしているから、祖父の葬儀にも出られなかったんじゃないの!」とぶちまけたそうです。
わたしたち家族まで、標的にされてしまったようでした。
旅行に出る前に「おじいちゃんが危ないかもしれないから、旅行はやめたほうがいいかな」と相談すると、「旅行はずっと前から計画していたことだし、お盆くらいしか休みが取れないんだから行ってくればいいよ。行かずに田舎にいてもおじいちゃんの死を待っているみたいだしね」と言ってくれたのは義母でした。
なぜそれを次兄夫婦から責められるのか、後から聞いても理不尽な思いです。
こうして義母と次兄家族は完全に縁切り状態に入り、10年以上たった今も音信不通です。
なぜ、3カ月献身的に付き添った義母の願いが届かなかったのか。いまだに私たちまで悔しい思いでいっぱいです。
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