みなさまこんにちは。アルツハイマー型認知症を発症した実母の近距離介護を始めることになったイラストレーターの石塚ワカメです。
生後間もない娘の世話と、認知症の実母の近距離介護ライフはいろいろ大変でしたが、幸い娘はすくすく育ち、だんだんお肉がつき、泣き声も大きくなってきました。
前回記事:新生児のお世話。認知症の母は手伝いたがるけど臭いが気になる...
産後私を悩ませていた実母の衛生面の問題も少し改善されたので、夕飯のしたくなどで私が手が離せないときに娘がぐずったら、実母に抱っこしてもらうことにしました。
実母も娘を抱っこしたり子守唄を歌ったり、ときには息子を膝に乗せて絵本を読んだりと、嬉しそうにしています。
実母、最近けっこう調子いいな。
孫と触れ合うのが一番のリハビリなのかもな...。
もっと早く近所に呼び寄せていたら、認知症にならなかったのかな...。
そんなことを考えていた矢先、事件が起こりました。
実母が、生後2ヶ月の娘を床に落としたのです!!!
火がついたように泣き叫ぶ娘を抱き上げ、
思わず私は実母に向かってこう叫んでしまいました。
実母は私の剣幕に驚いたのか床に伏せ、「ヒーンヒーン」と今まで聞いたことのない声で泣き始めました。
テレビなどの感動シーンで光の速さで泣きだすほどの泣き虫な実母ですが、こんな悲痛な泣き声は初めて聞きました。
幸い娘は、床に座って抱っこした状態から転げ落ちた感じなので大事には至らず、額が少し赤くなっただけで済みましたが、実母は「本当にごめんなさい。もう二度とここには来ませんから...」と、泣きながらアパートに帰って行きました。
しばらくして息子に状況を聞くと、娘を抱っこしている実母に息子が絵本の朗読をねだり、読んでくれようとした拍子に娘を落としてしまったそうです。
悪いのは、複数のことを同時に処理する能力やとっさの出来事に対応する機能が衰えてしまう、「認知症」という病気。
病気に蝕まれてしまった実母は悪くない。
実母を情けない声で泣かせてしまった...。
でもまだ頭の骨も塞がってない赤子...。
病気の実母に娘の世話を任せた私が悪い。
悶々といろんな思考が頭を駆け巡りますが、娘として、親として、実母を泣かせてしまったことへの謝罪が、どうしてもできませんでした。
もし実母が本当にもう来なくなったら、もし私が実母を完全に見放したら、実母はどうなってしまうんだろう...。
この夜は、娘と実母の泣き声が耳から離れず、あまり眠れずに過ごしました。
しかし翌日─
幸か不幸か、昨晩のことは全て忘れて実母再登場!
しかしこの日以来、実母に娘を抱っこさせることが怖くなったワカメなのでした...。
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