こんにちは山田あしゅらです。
義両親の在宅介護の様子を嫁の目線で綴った ブログ『13番さんのあな―介護家庭の日常―(現・13番さんのつぼ)』。
ここに書いてきた13年間の記録をもとに今の気持ちを織り交ぜつつ、改めて当時のことを振り返ってみようと思います。
【前回】介護家庭に便利なホームコール。使うのは緊急時のみと約束したけれど.../山田あしゅら
【最初から読む】義両親の様子がおかしい...介護生活がはじまった日/山田あしゅら
ここ数年異常なほどの高温が常態化されている我が国の夏。
今年も「熱中症」というフレーズがニュースに上らない日はありません。
年を取ると「暑さを感じづらくなり、のどの渇きも覚えにくい」とはよく言われることですが、こういった年齢による感覚の変化以外にも、対応能力が衰えることも高齢者の「熱中症」が頻発する要因になっているようです。
一緒に生活している義父母の身の回りには、「熱中症」や「脱水」の危険がそこかしこに見受けられました。
特に認知症が進んだ義母は「水分を摂取する」こと自体どういうことなのか分かっていません。
また、認知症にかかる以前から長年続けてきた生活習慣も「水分摂取拒否」に大きく影響していたようです。
かつて看護師だった義母は元々水分をあまり摂らない人でした。
看護師だったことはとうに忘れてしまっていても体に染みついた習慣はなかなか抜けないようで、お茶をひと口飲ませるのさえ毎回とても苦労しました。
幸い、どんなに暑くても食欲は旺盛だったので、ご飯を水分多めに焚いたり、汁気の多いおかずにしたり...。
その他、お茶などをゼリーで固める方法もツルンとのど越しがよくなって有効なようです。
市販されている「とろみ剤」は、義父母ともども「飲み込み」がうまく出来なくなってから大変お世話になりましたが
それはもう少し先のお話で...。
それから症状の有無が分かりにくいことも高齢者(特に認知症の人)の熱中症重篤化の要因となることがあります。
だるいとか、熱っぽいとか、クラクラするとか自分が今どういう状態にあるのか言葉で表してはくれず、熱を測ったり、表情から察知するぐらいしかありません。
そこでもっと簡単に分かる方法はないか訪問看護師さんに聞いてみました。
相手の手の爪(親指が分かり易い)をぎゅっと押さえて
パッと離した後
健康な人なら瞬時に赤みが戻りますが
1.5秒~2秒だと中程度の脱水
3秒以上かかるようだと熱中症の危険があるというのです。
他の看護師さんは手の甲の皮を引っ張ってその戻り具合で確かめている人もいましたっけ。
高齢者にとって脱水や熱中症は心筋梗塞や脳梗塞など重大な病気につながりやすく時に命に係わる状態です。
数年後、義父母共々入院のきっかけとなったのは結果的にこの「脱水」でした。
そして「脱水」は夏だけでなく1年中起こるのです。(義父入院は3月、義母入院は1月)
とはいえ一番危険なのは暑い夏。
年々、厳しさを増す酷暑は介護者にとって、とても大きなハードルです。
介護期間中はひと夏越すごとに、
と、胸をなでおろしていた私たちでありました。
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。