こんにちは山田あしゅらです。
義両親の在宅介護の様子を嫁の目線で綴った ブログ『13番さんのあな―介護家庭の日常―(現・13番さんのつぼ)』。
ここに書いてきた13年間の記録をもとに今の気持ちを織り交ぜつつ、改めて当時のことを振り返ってみようと思います。
【前回】認知症の義母が急にソワソワ。改修したばかりの洋式トイレへ誘ってみると.../山田あしゅら
【最初から読む】義両親の様子がおかしい...介護生活がはじまった日/山田あしゅら
少しずつ義父母が変化していくと同時に
周りの家族の状況も移り変わっていきます。
末っ子三男・三郎も大学3年生となり就職活動が始まりました。
これまで小、中、高、大と自宅から通学していましたがいよいよ巣立ちの時が近づいて来たというわけです。
ここ数年、義父母の介護が中心にならざるを得ない我が家において、我慢を強いられることの多い環境は若い男子には結構な苦痛だったと思います。
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それでも文句も言わず共に暮らしてきたことは、我が息子ながら「よくぞ耐えた」とほめてやりたいぐらいです。
また、ムードメーカーの彼には私たちも本当に助けられました。
たまたま家族全員が揃ったある日の夕食時。
普段は会話なくお通夜のような食卓も明るい彼が加わるだけで一気に賑やかになります。
この日の話題は現在真っ最中の『会社訪問』について。
するとしばらく黙って食べていた義父が話の輪に入ってきました。
...入ってくると言っても、私たちの話題に加わるというわけではありません。
何十年も前にあった義父自慢の武勇伝のたぐいだとか
この日、デイサービスで仕入れた『豆知識』のたぐいだとか...
要するに今持ち上がっている話とは全く関係なく、子どもが「聞いて聞いて!」と大人の話に割り込んでくる感じです。
その上、病気の影響で義父の言葉は聞き取りづらく、いつもそばにいる私でさえ何度も聞き直さないと何を言っているのか分かりません。
そして一旦始まるとこれがまたエンドレスなのです。
周りの空気が読めない義父は、皆が食事を終えてもなお延々と話し続けるのでありました。
話の腰を折られ、聞きたかった三郎の就活話もお預けになってしまいました。
何よりこの後、片付けやら義母のインスリン投与やら就寝の準備やら義父入浴後の『粗相』の始末やら、夜はやることてんこ盛りの私たちです。
義父のリピートトーク付き合う心の余裕はありません。
まあ「また、始まったか...」と聞く気にもならないのが本音ですが...。
しかし、三郎はそんな義父の話に根気よく付き合ってくれます。
後で聞くと
と、申しておりましたけど...(笑)。
介護する上で『傾聴』がとても大事なことはよく分かっているのですが、感情がからむと思いのほか容易いことではありません。
わが家の場合、一歩引いたところに居る三郎が、時折、義父をフォローしてくれる存在となっていたのです。
もしかしたら、この頃義父が落ち着いてきたのも三郎のお陰と言えるかも知れません。
もう少ししたら三郎も独り立ちしていくことになります(卒業後、家を出て行きました)。
家族の変化でどう変わっていくのか我が家の介護。
試行錯誤はまだまだ続きます。
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