<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴち
性別:男
年齢:51
プロフィール:かつてスーパーで青果物を販売していました。
某食品スーパーで、契約をしているお店でテナントの店長をしていた、今から5年ほど前のお話です。
当時、私は青果物を販売する企業で働いていました。
某有名食品スーパーとテナント契約を結び、「家賃」を支払い、スーパー内で青果物を販売する事業を営んでいました。
私(当時46歳)の肩書は、青果物を販売するお店の店長。
もちろん、スーパーの店長ではありません。
店内で店長と名乗れるのは、食品スーパー本体の店長だけです。
私は青果部の責任者としての立ち位置であり、店内では本体の店長の部下的な立ち位置でした。
企業同士のテナント契約というと、五分五分に近い関係性での契約になることが多いのですが、このスーパーとの関係性は主従関係に近いものでした。
本体の店長の機嫌を損ねれば「いつでも退店してもらって構わないよ?」と、脅されることもしばしば。
そうした企業間の関係の中、私が担当した店の本体の店長(当時60歳)は、とても気さくな方でした。
青果部の仕事がしやすいようにと、いつも気にかけてくださる優しい店長でした。
しかし、機嫌を損ねれば、何を言い出すかわからない一面もありました。
無茶振りも多く、まるで奴隷のようだと思ったときもあります。
それでも店長との良好な関係性を維持しようと、波風を立てないように業務をこなしていました。
ある日のこと、店長がひどく怒った様子で私のところへ来ました。
青果物のことでお客様からクレームが入ったのですが、初期対応した私の部下(当時28歳)の態度が良くなかったとのこと。
顔を真っ赤にして怒っている店長は、次々に暴言を私にぶつけ、私や部下の人格さえも否定するような言葉を使ってきました。
案の定、退店をほのめかす言葉もありました。
しばらくの間、店長からの叱責を受けた後、私はその部下を呼び、事情を聞くことにしました。
彼は以前から接客態度が良くなくて、しばしば注意をしてはいたのですが、その場で謝罪はするものの、態度は改善されていませんでした。
今回の件についても、自分の何が悪いのか?と言わんばかりの開き直った態度を取ってきました。
私は部下のしたこと、そして何がお客様を怒らせたのかを懇々と話しました。
相手が分かってくれるまで話そうと決めていたので、長くなってしまいましたが、その後は態度を多少ですが改めてくれました。
しかし、静かに話したつもりですが私も店長の叱責を受けて、イライラが募っていたのかもしれません。
相手が半べそをかいて謝罪した後、「自分も感情的になっていたのでは? 相手を追い詰める言い方をしていたのかもしれない」と、自己嫌悪に陥りました。
普段は温厚な人を怒らせるとどうなるか分かったと、彼が同僚に話していたことを後から聞きました。
そして、私のそんな態度はもう1人にも影響を与えていました。
あの店長です。
店長は私が部下と話しているところを、隠れて見ていたそうです。
部下に言い聞かせる姿は、よほど迫力があったようです。
後日、「先日は言いすぎてしまってごめんね」と店長が缶コーヒーを持ってきて私もびっくりしました。
この一件以降、店長は何があっても高圧的な態度を取らなくなりました。
業務上、厳しい意見をいただくこともありますが、変な無茶振りはなくなりました。
結果的に仕事場の環境は良くなったと思いますが、自分の態度は正当なものだったかどうか、そんな考えが胸にしこりのように残っています。
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