<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ひろえもん
性別:女
年齢:57
プロフィール:3匹のネコと夫と海辺の街でのほほんと暮らす関西のおばちゃんです。
私57歳、夫54歳。
誰かに幸せにしてもらうことだけを考え、文句ばかり言い続ける夫と25年一緒にいると、自分も夫に染まっていることに気づきます。
「貧乏な夫婦がいて、クリスマスに夫は妻の美しい髪に飾るくしを買うため、自慢の金時計を売り、妻は夫の金時計につけるプラチナの鎖を買うために髪を売ってしまう。プレゼントはムダになってしまったがお互いの思いやりを確認しあう」
オー・ヘンリーの短編小説『賢者の贈り物』をはるか昔に読んだ私は、「そんな夫婦になりたい」とずっと憧れていました。
ですが先日、私のささやかな願望をぶち壊す出来事がありました。
つい最近、チーズの大好きな夫が喜ぶと思い、ホットサンドメーカーを購入しました。
ここ数年、服も買えず、みすぼらしい格好の私。
それでも夫の喜ぶ顔が見たかったのです。
「ワッフルもたい焼きも作れる! これが2人へのクリスマスプレゼントやね」
私はそう喜んでいたのですが、あまり上手く焼けず...。
それを見た夫はこう言いました。
「なんやねんコレ。クリスマスプレゼントやて。笑うわ!」
心底、夫にがっかりしました。
旅行先で迷えば「お前の計画が悪い」、家を買えば「こんな小さい家」と罵る夫。
「そんなふうに言うんやったらアンタが計画し!」
「住んでもらわんでええ!」
そのたびに意地悪で言い返す自分がどんどん嫌いになります。
安い航空券を手配したり、キャンペーンやらお得なキップやらを調べて鉄道やホテルを予約したり、ロンドンに行けばあれこれ調べて最安でミュージカルのチケットを手に入れたり...。
ある意味、趣味なので好きでやってるんですが、たとえ失敗しても文句を言われる筋合いはないと思うのです。
私の努力を当然のものと受け止め、その特典だけを享受し、たまに上手くいかないと文句を言ってくる。
夫のツラの皮の厚さにゲンナリします。
明治生まれの祖母は、人に温かいご飯をあげて自分は冷やご飯を食べていました。
自分も他人にはそうしてきました。
でも、夫とはまるでサバンナの動物のように奪い合いになり、心は荒んで目も釣り上がってきました。
バナナを割ると、夫は必ず傷んでいる方を私に渡してきます。
ケーキもいつも小さい方、目玉焼きは黄身が潰れた失敗作。
結婚当初は「あなたが食べて」と譲っていましたが、今はある方式を採用しています。
それは「ケーキを切る人は1番先に選べず、他の人が選ぶ。すると切る人はめちゃくちゃ正確に等分するので平等に分配できる」という方法です。
「三つ子の魂百まで」という言葉もあるように、夫の年齢ではもうひん曲がってしまった価値観を矯正するのは無理です。
「あれがないからこれがないから」と不幸を数え、「私の人生不幸だった」と嘆いて死んで行くのでしょう。
これからお子さんが生まれる方、あるいは子育て中の方、お子さんには勉強よりも先にどうすれば幸せになれるかを教えてほしいです。
そして、自分を犠牲にしても、愛する人を喜ばせたいと思う心も育ててほしいです。
自分のためだけに生きて得た幸せなんて、たかが知れていると私は思うからです。
今から結婚相手を選ぶ人は、幸せになりたいなら「感謝できる人か、些細なことに満足し、幸せそうかどうか」を最優先にした方が良いと、夫を見て心から思うのです。
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