<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:51
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる51歳自営業。
81歳の父と79歳の母は、私が子どものころから喧嘩の絶えない夫婦でした。
学校から帰宅したら、キッチンが割れた食器だらけなんてこともあったくらいです。
自営業をしていた父がお昼休みにご飯を食べに来たときに喧嘩になり、母が怒りを食器にぶつけたのでしょう。
子ども心にゾッとして部屋に駆け込んだ記憶があります。
そんな両親も歳を取り、口喧嘩はするものの、さすがにもう大きな喧嘩はしないだろうと思っていた矢先の話です。
我が家では、父が手当たり次第に植えた庭の植木は、長年の「揉め事」の引き金になってきました。
庭には柿の木が5本・夏ミカンが3本・梅・もちの木の他、私が名前を知らない木も何本も植えられています。
ほとんどが父の独断で我が家に買ってきたもので、その方法にも問題がありました。
母が私たち子どもを連れて他県の実家に帰省した留守中に、植木屋さんに来てもらうのです。
そのため母が実家から戻ったら、植木が増えている! ということが何度もあったそうで、私は何度もそのときの母の怒りを聞かされてきました。
そんな母に変化が現れたのは3年ほど前。
父が庭の手入れをはじめ何事も面倒臭がって動かず、テレビばかり見ているようになった頃からでした。
ときは来たとばかりに母は庭に関する不満を強い言葉で父にぶつけるようになりました。
そして、2021年の3月のある日、夕飯の時に母が庭仕事に疲れた勢いでこう言ったのです。
「考えて植えないからこの始末。ホント、どうしょうもない。できることを見付けて何かすればいいでしょ!」
などといつもよりも強い言葉でしつこく父を口撃し始めました。
両親の間に座っていた私は、ハラハラしながら聞いていましたが、父は一言も反論しません。
よく我慢しているなぁと感心したのですが、大間違いでした。
数日後、突然植木屋さんが来て、8割の庭木を切ってしまったのです。
母が毎年実りを楽しみにしていたキウイやザクロの木も容赦なく切られ、視界が開けて明るくなった庭はとても広く、新鮮に映りました。
そして、私の横で唖然としている母に父がこう言ったのです。
「これでスッキリしただろ」
まさに父はできることをしたのでした。
お母さん、一本取られたな! と、ついニヤニヤしてしまったのですが、そこで黙っている母ではありません。
衝撃から立ち直ると、植木屋さんへ支払うお金に怒りの矛先を変え、「勝手に頼んだんだからお父さんが払ってよね!」と、最後の悪あがきに食ってかかりました。
気持ちは分かるけどお母さん、お金もかけないで改善するって無理だったよ? なんて思っていると、父がまたもや「じゃぁ、お前に切ってもらえば良かったのか?」と一言。
その言葉に母は完全に撃沈したのでした。
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