<この体験記を書いた人>
ペンネーム:myb
性別:女
年齢:46
プロフィール:15年間の結婚生活に終止符を打ち、歩み始めたばかりのシングルマザーです。
2020年夏頃の話です。
我が子が通う小学校に用事があった私は、午後3時頃に通学路付近を歩いていました。
ちょうど帰宅途中の児童が1クラス分(30人)くらいの人数で列をなして、最寄りの横断歩道に向かう途中でした。
横断歩道には、70歳くらいの男性交通指導員さん(黄色い旗を持って児童の登下校を見守る人)が立っていました。
しかし、児童の列が横断歩道に近づいて来たそのとき、ちょうどその方の勤務時間が終わったようです。
そして、交通指導員さんは近くに置いてあった自転車に乗り、片手に旗を持ったままの不安定な状態で、児童の列をかき分けて学校のほうへと走り去って行きました。
児童が通る歩道はガードレールで守られていて、その幅は大人が2人並んで歩ける程度のものです。
車道には車は走っていませんでした。
それにもかかわらず、車道ではなく児童が歩く歩道を無理矢理自転車で走っていく様子には驚きました。
さらに言えば、横断歩道から学校までは20m程度。
わざわざ、自転車で移動するほどの距離でもないのです。
気になった私は、交通指導員さんの派遣元であるシルバー人材センターに問い合わせてみました。
「子どもが30人もそばで歩いているなら、せめてその集団だけでも見送ってから帰らないのか?」
「勤務時間終了後のことなので本人の自由です」
取りつく島もないとはこのことですよね。
仕事の時間とプライベートの時間を分ける意味では、この発言にはいくらかではありますが納得できる部分はありました。
ですが、話の核心は「児童の列をかき分けて自転車で歩道を走行する点」についてです。
そこを指摘すると、あきれるような返事を返されました。
「70歳以上の高齢者は歩道を走行しても良いので、違反ではありません」
確かに、13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者、身体に障害を有する人においては、歩道を走行することが許されています。
しかしながら、仕事ができるくらい元気な70歳が、あえて歩道を通行する必要はない気がしました。
車道には車の姿はありませんでしたし、その状況であれば車道を走行したほうが、交通指導員さんにとってもよっぽど安全だとも思いました。
「旗を持ったままの片手運転はだめなのでは?」
「積載量の関係で、傘は禁止されていますが、旗は小さいので道路交通法上では問題ありません」
子どもたちが自転車をよけたり立ち止まったりしなければいけなかったことについても訪ねてみましたが、「70歳以上」ということで押し切られてしまいました。
「どうしても歩道を通りたいなら、せめて自転車から降りて、押して歩くことはできなかったのか?」
「勤務終了後ですので」
交通指導員さんばかりでなく、シルバー人材センターの危機管理のなさには唖然としました。
もちろん、この話のような人ばかりではないと思っていますが、シルバー人材センターには交通指導員以外の職種もあります。
勤務時間が終了したとたんに児童のことを顧みなくなるような人よりも、子どもが好きで見守りたいという気持ちのある人に、交通指導員さんをしていただきたいと思いました。
改めて調べてみると、やはり歩道は歩行者が優先であるため、仮に歩道を自転車で走行する場合でも、歩行者を立ち止まらせるなどの行為は通行の妨げにあたるとのこと。
細かい例外があるかもしれないため、「違反だ」と断じることはできませんが、「違反ではない」と断言もできないはずです。
問題の交通指導員さんは、その後も数カ月勤務を続けていましたが、退職されたようです。
今では70代女性の交通指導員さんが代わりにその場所を見守ってくれていますが、勤務時間が数分過ぎても児童の列が通り過ぎるまで声をかけながら見守ってくれています。
勤務を終えて学校へ戻る時も徒歩なので、安心してお任せすることができるようになりました。
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