<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴっぴ
性別:女
年齢:43
プロフィール:小学生の子供が二人いるパート主婦です。
一回目の緊急事態宣言も終わり、世間が少し緩んでいた2020年夏頃のことです。
我が家の前の道を挟んだ斜め向かいには雑居ビルがあるのですが、そこの3階に小さな劇団の稽古場があります。
コロナ禍以前はよく人が出入りしていたのですが、春に緊急事態宣言が出てからは人の気配がなく、そして夏になった頃、久しぶりに稽古する声が聞こえてくるようになりました。
すると、コロナ禍前はそこまで気にならなかったのですが、自宅にいると劇団の方のセリフ、歌が丸聞こえ状態なのです。
なぜだろうと不思議に思ったのですが、わかりました。
窓を全開にして稽古しているのです。
きっとコロナ前は窓を閉め切っていたので、音が今のように響かず気にならなかったのでしょう。
コロナ対策には換気が大事ということは知っていましたし、私はあまり騒音を気にしないほうなので、まあ仕方ないなと思っていました。
ですが、ある平日の昼間のことです。
稽古場のビルの方から男性の怒鳴り声が聞こえてきました。
何事かとカーテンの隙間からそっとのぞくと、ビルの下で60代くらいの男性が「うるせー! 迷惑だろうが!」と3階の窓に向かって大きな声を出していたのです。
ついにクレームが入ったか...と思い、その後どうなるのか耳をすませていたのですが、劇団のみなさんはそのクレームの声が聞こえていないのか、稽古を続けたまま。
ミュージカルの練習中のようで、ハキハキとした歌声が流れ続け、一向に止まる気配がありませんでした。
離れていてもここまで歌がはっきり聞こえるのですから、稽古場の中ではもっと音量が大きいはず。
きっとおじさんの声が聞こえないのでしょう。
おじさんはその後も「やめろー!」「聞いてるのかー!」などと言っていましたが、そのうちあきらめたのかいなくなっていました。
これを見て考え込んでしまいました。
稽古の声はかなり大きいので、おじさんの気持ちもわかります。
ですが、コロナ対策をしなければいけない今、換気は必須です。
劇団の方も、マスクをして密にならないよう対策をしながら練習をしているのでしょう。
そこをうるさいから稽古をやるなというのも、ひどい気がしてしまいます。
騒音は人にとって感じ方が違うと聞きますので、耐えられない人もきっといるはずです。
ですが、若い劇団員の方から仕事を奪うこともしたくありません。
音量を下げて練習してもらうのが一番いいのかなとも思ったのですが、どうすればどちらにとってもいい形で解決できるのか、わかりませんでした。
どうするのが正解なのでしょうか?
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