<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やまと
性別:女
年齢:40
プロフィール:50歳の夫と二人暮らしの主婦です。
50歳の夫は、学生時代から演劇部に入っていました。
かなり熱中していたようで、社会人になってからも演劇サークルをつくって趣味として活動していました。
役者としてだけでなく脚本や演出もしていたようで、わりと本気の趣味だったようです。
今活躍している何人かの芸能人の方とも同じ舞台に立ったことがあるようで、一緒にテレビを見ていると「この人と共演したことある!」と言ったりもします。
そんな夫は舞台や映画、ドラマが好きで、特にコロナ禍になってからは一緒に観る機会が増えました。
楽しい時間を夫婦で共有できるのは良いのですが、気になることが出てきました。
観ている途中で夫が演技評論を始めるのです。
「この役者はまだ役が入りきってないなあ」
「なんでそういう言い方するかな〜、上手くやろうとして誰かの真似をしているんじゃないかな」
など役者の演技に関することから、キャスティングにまで話は及びます。
「最近この女優ばかり出てるけど、流行ってるから起用するのはおかしい」
「この人は間の取り方が上手だから人の目を惹きつける」
評論はそれだけにとどまりません。
「効果音を入れすぎなんじゃないか?」
「今の画の撮り方も2人の関係性をよく表している」
など演出に関してもいちいち口を出したり分析したりするのです。
言っている内容は間違っていないし、聞いていてなるほどと思うことも少なくありません。
最初は聞いていて楽しかったのですが、だんだん「またか...」と思うようになってきました。
しかも、いいシーンになればなるほど評論がヒートアップします。
「ここで引きの演技ができるのはすばらしい! さすがだなあ」
緊張感のあるクライマックスシーンでそんなことを言われると集中できません。
最近では、映画やドラマにとどまらずお笑いやドキュメンタリー、CMにまで評論を入れてきます。
「こういう演出は必要なのかなあ、見る側を誘導したいのが丸見えだ」
「このタレントは顔が地味だから大袈裟に演技するくらいがちょうどいいなあ」
そしてお笑いの専門家でもないのに、漫才に関してもあれこれ口に出します。
「こういうネタは好きではないけど、この人たちを面白く感じる理由は、通常この手のネタをする人たちと真逆で...」
語り始めると、漫才が終わっても話が止まりませんでした。
私はドラマや映画の伏線に注目して、一瞬映った小物や日付などの数字をヒントに謎解き的に楽しみたいタイプ。
なるべく集中して観たいのです。
しかし夫の評論は日に日に長くなっていき、あまりにも嬉々として語るので黙れとも言えません。
私はますます集中できなくなってきています。
最近では、本当に観たいものは録画して後からゆっくり観たりしていますが、本当は一緒に楽しく観たいのにな、とモヤモヤしてしまいます。
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