「うちの子達はすごいだろう」父への妬みをこじらせた叔父の「子供自慢」に嫌悪感マックス!

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ウジさん
性別:男
年齢:59
プロフィール:叔母(85歳)が亡くなりました。長く会っていなかった叔父(85歳)と会った時の話です。

「うちの子達はすごいだろう」父への妬みをこじらせた叔父の「子供自慢」に嫌悪感マックス! 7.jpg

父(89歳)の弟である叔父(85歳)の奥さん(つまり私の叔母、享年85歳)が2021年1月に亡くなりました。

と言っても、年賀状以外ほとんど付き合いのない叔母の死を知ったのは、父からもらった電話ででした。

「亡くなったのはもう2週間も前で、時節柄密葬だったんだ」

「そうなんだ、全然知らなかったよ」

「一応弟だから、落ち着いたら挨拶にと思ってたんだが、あまり間が空くのもどうかと思ってな...」

父は足を悪くしているので、本人が行くのは難しいだろうな、と思いました。

「たかふみ(兄、61歳)に行ってもらおうとも思ったが、非常事態宣言なんかも出てるし、先方も嫌がるだろうから...」

「?」

「お前、幸い弟のとこの隣の県にいるんだから、悪いが顔出してくれないか?」

父が私に頼み事をするのは珍しいことですし、事情が事情なので断れませんでした。

父と叔父は昔から不仲でした。

小さい頃に何度か会ったことがありますが、成人してからは一度も会っていません。

父は銀行員でしたが、叔父は同じ銀行を受けたけれど落ちてしまい、製造業の会社で勤め上げた苦労人でした。

叔父は銀行に勤めた父に強いコンプレックスを持っていて、会うたびに恨み言を言うらしく、それが嫌で会わなくなったと聞かされていました。

数十年ぶりにお宅を訪問すると、思ったよりも明るく迎えられました。

「まだ片付いてなくてな...」

仏前に通され、一通りのお参りを済ませました。

その後はお茶をいただきながらの雑談となったのですが、なかなか居づらい場となってしまいました。

「ウジさんは今何を?」

「ああ、わたしは役場に勤めていて...」

「ああ、そうだった。うちの長男は何とか国家公務員試験に受かって、中央官庁に勤めてるんで、同じ公務員だねえ」

何とも嫌味な言い方です。

そう言えば父が、叔父は子供達にずいぶん無理をして教育費をかけたような話をしていました。

「長男の子供も大して勉強なんかしなかったんだけど、東大なんかに入っちゃって、親の跡を継ぐつもりらしいよ...」

私の娘が教員採用で苦労していたのは年賀状で知らせているので、これも鼻の高い話なのでしょう。

「お兄さんは何を?」

「...兄は、父と同じ銀行員でしたが、昨年退職して...」

「もう退職か、頑張ったんだな。うちの長女は外資系の銀行員と結婚してな。今はロンドン住まいなんだ。あっちはコロナで大変らしくてな...」

「じゃあ今回は戻ってこれなかったんですか?」

「まあ、しょうがないよ。幸せに暮らしてればそれが何より...こんな家に住んでるんだよ」

そう言いながら見せられた写真は、イングリッシュガーデンのある豪邸で家族で記念に撮った写真のようでした。

「あっちでも銀行員は羽振りがいいみたいだね。お兄さんもさぞ立派な家を建てたんだろ?」

兄がマンション住まいなのも知っているはずです。

苦笑いするしかありません。

「...ああ、そろそろ電車の時間なので...」

「まあ、いいじゃないか。娘が送ってくれたイギリスのワインがあるんだ。息子が送ってきたステーキ肉でも焼くから食べて行きなさい」

「いや、お構いなく...」

気まずくて帰ろうとしても引き留められましたが、振り切るようにしてお宅を辞しました。

帰宅してから一応報告の電話を父にかけました。

「いやあ、なんとも居心地の悪い感じでさあ...」

「すまなかったな。まあこれで義理は果たしたから、もう会うこともないだろうよ」

電話口の父は本当に申し訳なさそうでした。

「俺ばかりいい人生を送ったように思ってるからなあ、あいつは。子供らの成功だけが楽しみなんだよ...」

分からないではないですが、比較される身としてはたまらない話です。

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