<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ゆらら
性別:女
年齢:52
プロフィール:離婚して約15年娘と二人で暮らしてきました。3年前からは76歳の母も一緒に暮らしています。
娘は30歳を越えた今でも働けず家にいます。
私の離婚のことなどで不安な思いをさせたこともあり、不登校になったこともありました。
原因は私にあると思っていたので、申し訳ないという思いから、これまで随分甘やかして育ててしまったなと感じています。
学校に行かなかったこと、働いていないことなども影響しているのか、娘はコミュニケーションをとることが苦手です。
特に家族に対してはそれが顕著に表れ、相手の気持ちを考えたり思いやることができません。
同居している母(娘にとっては祖母)に対しても、私が聞いていてビックリするようなことを言ったり、後でフォローしないといけないようなキツイことを言ったりします。
「あんなことを直接言ったらおばあちゃん傷付くでしょ」
「でも言ってあげないと分からないよ」
注意しても涼しい顔で言い返してきます。
確かに言わなければ伝わらないこともありますが、やっぱりもっと優しく接して欲しいです。
こうした態度は私に対しても同じ。
思ったことをストレートに言って来るので傷付くことがよくあります。
もともと私は忘れっぽい性格で、何か手を付けたことを途中で忘れて放置してしまうことがよくあります。
そういうことを指摘されるのは日常茶飯事ですが、やっぱり言い方がキツイのです。
「何これ? 置きっぱなしだけど」と教えてはくれるのですが、教えてくれるだけで娘が片付けてくれることはありません。
ちょっと蓋をしてくれるだけで、ちょっと横に移動させてくれるだけで片付くものも、教えてくれるだけでそのままの状態なのです。
忘れてしまった私が悪いのですが、そこでほんの少しの優しさや気づかいがあればと思ってしまいます。
一番しんどく感じたのはつい先日のこと。
私は仕事のことなどで体調不良になり、髪が抜けたり肌が荒れたりしたせいで、しばらく髪を染めることもできませんでした。
そのため前髪や頭頂部が白くなってきて、とても気になっていました。
そんなある日、娘と2人で買い物に出掛けて、ショッピングモールのトイレに行きました。
先に済ませて手を洗っていると、個室から出てきた娘に「老けたねぇ」と溜め息交じりに言われたのです。
「しょうがないでしょ。今は染めると痒くなったり髪が抜けたりするんだから」
言い返しましたが、しばらくその言葉が胸に刺さって悲しくて落ち込んでしまいました。
流石にこれは私が傷付いたことをきちんと分かって貰おうと思い、その夜娘に話しました。
「事情があって髪を染められない、メイクも薄くしかできないのは知っているでしょ? あの言い方は酷いよ」
「だってホントに、疲れてるのかなぁと思って」
「だったらせめて『ちょっと疲れてるみたいだね』とか言えないの? 老けたねなんて言われたら、誰でも傷つくよ。言われた方の気持ちを考えないと」
娘は一瞬不機嫌になりましたが、それもいつものことなので気にしません。
「自分のことを言われると不機嫌になるのも良くないよ。一度は受け入れて、なぜそう言われたのか理由をよく考えた方が良いよ」
娘はしばらく黙っていましたが、小さく「分かった」と言ってくれました。
小さな頃からずっと「人の気持ちを考えよう」「自分がされて嫌なことは相手にもしないように」などと言ってきましたが、娘にはもっと詳しく説明しないと分からなかったのかなと思います。
社会に出ていろいろな人と接するようになると、自分の言動が人を傷付けたり怒らせたりすることに気付くとは思うのですが、娘はもう30歳です。
この先、社会に出た時に気付くのでは遅いと思います。
娘が分からないと言っても、私がどれだけ傷ついたか、悲しかったか、母がどれだけ嫌な思いをしたかを、根気よく伝え続けて行かないといけないと思っています。
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