<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ちもちも
性別:女性
年齢:52
プロフィール:子育てはほぼ修了。勝手気ままに暮らしたい 海外旅行大好き主婦。
それは結婚して初めての年末のことです。
わたしは30歳、夫は28歳。12月に入籍し、一緒に住み始めたばかりでした。
年末年始をどう過ごそうか、まだ考えてもいなかったある日。
義母から電話がかかってきました。50代前半で共働きの義母は「年末なんだけど、29日でお父さんもわたしも仕事納めなのよ。30日からそっちへ行っていいかしら」。
咄嗟になんと返答したらいいかわからなかったわたしは、かなりためらった挙句「A(夫)さんに聞いておきます」と答えました。
もちろん即答で「嫌です」と言いたかったのですが、なかなか言えるものではないですよね。
そして夜、帰宅した夫に伝えました。
当然拒否反応を示してくれるものだと思っていたのに、夫の答えは「賑やかになっていいね。布団足りるかな」。
「......」
すぐに反論が出来ない私をよそに、夫は承諾の電話を義母にしていました。
年末年始を義父母と過ごす、それも若夫婦が行くのではなく「来る」......。
行くのなら元日に挨拶に行って食事して帰る、くらいのことは当たり前かな、と思えます。
でも義父母のほうから30日に来るということは、いったいいつまでいるのでしょうか......。
そして二人は考える間もなくやって来ました。
2人分の布団を抱え、まあまあな量の荷物と共に。
義母はいそいそと荷物を広げ、義父が趣味で作っている大量の野菜をキッチンに運びます。
白菜は5玉ほどあったでしょうか。
「涼しいところに置いてたら日持ちするからね」。
そう言われても南向きの小さなマンションに涼しい場所などベランダくらいしかなく、野菜は全てベランダへ。
当時のマンションは1LDKで義父母が寝るのはリビングしかありません。
それなのに夫と義父は夜遅くまでリビングで酒を飲み、朝寝坊したいのに早起きな義母は5時には起きてキッチンで料理を始めます。
しつこいですが「小さな1LDKのマンション」なのです。
ガチャガチャと鍋やフライパンの音は寝室にも響き渡ります。
義母が朝食の支度をしているのにのんびり寝ているわけにもいきません。
また、このときはまだ判明してなかったのですが、わたしは妊娠していました。
いつもは大好きなお酒が不味くて呑めず、義父と夫が呑んでいる様子を恨めしく思っていたものです。
常に胃がムカムカしているような気分で風邪でもひいたのかと思っていました。
そんな体調では三が日も楽しいはずはなく、義母の提案で初詣に行っては人ごみに酔い、夫と2人なら作る気もなかったお節には食指も動かず、気の休まる暇もないお正月でした。
1月3日の夜、義父母が帰ってくれたあとは膝から崩れ落ちそうなくらい疲労困憊していました。
その年の夏長女が産まれ、親子水入らずで過ごすお正月......など来るはずもなく、孫会いたさによりヒートアップした義父母は山ほどのおもちゃと野菜を抱えて年末やって来たことは、言うまでもありません。
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