<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ゆらら
性別:女
年齢:52
プロフィール:48歳のせっかちないとこと、その娘である21歳の従姪は真逆のおとなしい性格。いとこの後ろで何を考えているか分かりません。
母方の親族は昔から仲が良かったので、私と4歳違いのいとこ(48歳)も仲良しでした。
そのいとこの娘にあたる従姪(いとこめい)のSとは幼い頃から一緒にお絵描きをしたり、遊びに出掛けたりしていました。
Sはとてもおっとりしていておとなしい性格。
いとこや叔父からいつも何をしていても「早くしなさい」と言われ続けて育ってきました。
言われても慌てたり焦ったりする様子がないので、せっかちないとこたちはそれがまたイライラするらしいのです。
靴を履くのも「早くしなさい!」、片付けをするのも「モタモタしないの!」と...。
私が見ている時だけでも散々叱られているので、家ではどんな生活をしているのかと心配に思っていました。
一緒にお出かけした時も、ケーキ屋さんでSがどのケーキを買ってもらおうかと選ぼうとするのですが、あれも良いなこれも食べたいなと時間が掛かってしまいます。
するといとこは「早く決めなさい!」と一度声を掛けた後、それでも迷うSに痺れを切らし、勝手に注文してしまうのです。
「あの子は苺のならどれでも良いんだから」と言うのですが、ショーケースの前で迷っていたSの様子を思うと、他にも食べたいケーキがあったのではと気になってしまいます。
自分から何をどうしたいと話したところを見たことがなく、Sをずっと気に掛けながら時は経ち、彼女も成人式を迎えました。
Sが高校生の頃に「お洒落が好きだから将来はアパレルの仕事がしたいらしい」といとこからちらっと聞いていました。
アルバイトもショッピングモールの中の洋服屋さんで2年程頑張っていたようです。
ところが、高校卒業と同時に、いとこが働いているホームセンターにアルバイト先を変えたのです。
休日もほとんど一緒のシフトでした。
親戚からは「そろそろ1人で働きに出たらどう?」とか「アルバイトよりもしっかり就職先を探したら?」とか言われましたが、いとこは「まともに働ける子じゃないから」と聞く耳を持ちません。
私はSがまともに働けるか働けないかというよりも、今のホームセンターでの仕事が、本当にやりたかった仕事なのかが気になりました。
でも、時々会いに行っても喋るのはほとんどいとことだけ。
Sは自分の部屋でゲームをしているか、一緒にお茶を飲んでも黙っているだけで、まともに会話に参加しません。
もちろん2人きりの時間も作れないので、内緒で話をすることも無理。
私自身も30歳の娘を育ててきた中で、娘が何を考えているのか、どう思っているのか、何がしたいのか、思いやることがあまりなかったことを今になって反省しています。
だからこそ、いとこの陰で何も自分の思いを話すことなく黙って、言われたことや与えられたことだけをしているように見えるSのことがとても気に掛かるのだと思います。
もしかしたら私の考え過ぎかもしれません。
それに、本当は2人の間でいろいろ話しているのかもしれません。
だから余計なことをしてはいけないと思い黙って見ているだけですが、考えてしまうのです。
このまま母親とずっとアルバイトで働くことがSの希望なのか、高校の頃に言っていたアパレルの仕事はいいのか、ただ気分転換でホームセンターで働いているのか。
どうしても気になるし、聞いてみたいと思ってしまいます。
もしまだやりたいことを諦めていないなら、Sに「自分の将来なのだから、自分の思っていることを正直に、思い切って話しても良いんだよ」と声を掛けてあげたいです。
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