<この体験記を書いた人>
ペンネーム:しらたま
性別:女
年齢:45
プロフィール:寒さに弱い私。気温が下がってきたので、手足の冷えがツラいです。夜は毎日、湯たんぽが欠かせません。
私は45歳、一つ年下の夫と10代の娘と3人暮らしをしています。
義母は健在ですが、義父は私と夫が結婚した翌年に亡くなりました。
大病を患ってのことで、早すぎる義父の死は、私にとっても大きなショックでした。
義父とは結婚前に会ったのですが、少しぶっきらぼうな態度でした。
時間が経つにつれて徐々に慣れてくれたようですが、夫は3人の男兄弟なので、はじめは「娘」との接し方がよく分からなかったようです。
そんな義父は、とても達筆な人でした。
初めて義父の文字を見た時には、こんなにキレイな字を書く男の人がいるのかと驚いたほど。
書道の師範である私の母も驚いたくらいに美しい文字でした。
筆まめな義父は折に触れ、私によく優しい手紙をくれました。
直接会った時にはぶっきらぼうな義父ですが、手紙では優しい言葉を伝えてくれました。
「今日はお会いできてよかったです、また会いにきますね」
そう別れを告げた私に、その場での義父は「ああ、またおいで」と言うだけ。
しかし、その後届く手紙には、とても優しい言葉が綴られています。
「元気な貴方と楽しい時間を過ごすことができました。また会いにきてくれる日を心待ちにしています」
美しい筆跡でそんな優しいことを書かれると、なんだか私は嬉しくなってしまうのでした。
ある時届いた手紙は、今でも特に心に残っています。
私と夫が結婚して少し経った頃のこと。
「これから貴方と息子の家族が増えるのが楽しみで、孫と呼べる存在に会えるのが、嬉しくも不思議な思いがします」
そう書いてあったのです。
孫を楽しみにしていると直接言われたことはなかったので驚いたのですが、実は義父が心待ちにしてくれていたことを本当に嬉しく思いました。
しかし、実際には義父は娘が生まれる前に亡くなってしまい、私は義父に初孫を抱かせてあげることはできませんでした。
もちろん、自分でコントロールできることではないことです。
しかしこのことだけは、本当に残念に思っています。
今も私は、義父からの手紙を大切に保管しています。
夫に言わせると、子供の頃は怖い父親だったと言う義父。
私にとってはちょっと無口で、でも手紙の中では優しい言葉をくれる人でした。
義父はきっと、娘にとっていいおじいちゃんになったことでしょう。
実はまだ、義父の手紙を娘に見せたことはありません。
ですが、もうそろそろいい頃合いかも。
成長した娘に、おじいちゃんの手紙に綴られた優しい言葉を見せてあげようと考えているところです。
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