<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ゆり
性別:女
年齢:44
プロフィール:実母との微妙な関係に悩みつつ、自身の子育てについて試行錯誤中。夫と子ども2人の4人家族。
「お金がない。お小遣い前借りしていい?」
ここ数年、娘から何度も聞いているこのセリフ。
現在、高校生の娘は、お金や正しい生活習慣について無頓着です。
「こんなことで将来、社会人として自立出来るのかしら?」と思うこともしばしば、でも正直な所、娘は若い頃の私にそっくりです。
自分がお金で苦労してきたからこそ、子どもには同じ思いをさせる訳にはいかないという思いで、お金についての教育を頑張ってきたつもりでした。
娘が小学校高学年になった辺りから、お金が必要な遊びが増えました。
友達同士でショッピングセンターに行きたい、から始まり、映画館に行きたい、繁華街に行きたい、要求は増えるばかりです。
最近の子供達と私達の頃の金銭感覚はまるで違うと感じます。
時代の違いで仕方が無いでしょうが、とにかく贅沢すぎるくらい贅沢な気がするのです。
友達の中でも娘はいつもお金が少なかったようで、それが原因で私と喧嘩になり、泣いてしまったこともありました。
そもそも子供同士で繁華街へ行くことを許さなかったのは、グループの中で我が家だけ。
話し合いの結果、約束事を守るということで繁華街の一歩手前まで行くことを許しました。
そんな娘は中学時代も楽しいこと大好き、芸能人や音楽も大好き、ファッションや雑貨も大好き、といった今どきの女の子でした。
だからやっぱり「お金がない!」と、文句を言っていることもよくありました。
勉強は頑張っていたようですが、県内トップ校にまでは及ばず。
しまいに、私立の高校に行きたい学校を見つけたと言い出し、習い事に趣味に買い物に進学にと、次々とお金が飛んでいくような日々でした。
高校生になっても有り金を使い果たしながら、楽しさ優先の娘。
私としては我慢の大切さ、貯金の大切さ、お小遣いの前借りをしないで済むようにと根気強く伝えてきたつもりでした。
逆に娘のお小遣いだから娘が自由に使って構わないという思いもあり、いつもその狭間で悩んでいました。
こんなにお金に無頓着でも、いつか分かってくれる日がくると願いながら。
しかし娘は既に高校3年生。
「そんなにお金を使いたいなら、勉強を頑張って良い企業に勤めて、玉の輿にでも乗りなさい!」
なんてつい時代錯誤なことを言ってしまう私。
お金の躾は失敗したかもしれないとの思いがよぎります。
ある時、テレビで老後の2000万円問題が取り上げられていました。
それを受けて、年金は本当にもらえるのかなどと夫と雑談を交わしていた時のことです。
娘が、私たちに言いました。
「大丈夫だよ。私が勉強を頑張って○○大学に入って、一流企業に入って、パパとママが困ったらお金入れてあげるからね。今までかかった分を返すからね」
小学生の頃に、うちだけお金が少ないと涙を流していた娘。
いつもお金がない、お小遣いが足りない、今回だけだから前借りさせて、と言っていた娘。
とことん遊び尽くしておきながら、勉強は諦めなかった娘。
もちろん私達の為に勉強している訳ではないですが、社会人になれるのかどうかと心配していた娘が、こんな風に思ってくれていたとは。
娘はきっと今までの経験を糧に、ちゃんとお金の管理を頑張るのでしょう。
何よりも娘が自分なりに色々考えていて、「こんな親の下で心優しい娘に育ってくれただけでもう十分」と、胸が熱くなる思いでした。
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