<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ウジさん
性別:男
年齢:58
プロフィール:妻(56歳)と二人暮らしの58歳の男性です。子どもたちも独立したのに家には物があふれています。
2人の子供が独立し、すっかり広くなった家に寂しさを感じ...ない!
家の中にはいまだに物があふれんばかりです。
妻(56歳)も私も片付けは大の苦手で、物は増える一方です。
特に最近は、コロナのおかげでどうしても家にいる時間が長くなるので、その散らかりようがどんどん気になってきています。
「時間はあるんだ。自分の部屋ぐらい片付けるか」
「そうね、少しは物の始末が進むかもね」
と言うことで8月の末ごろに部屋の片付けを始めました。
なんとなく積み上げていたものを、この機会に要不要をはっきりさせて始末しようと意気込んでいたのですが、どうもうまくいきません。
半日引っ掻き回してやっと紙袋一つ分ぐらいのゴミを持って部屋から出ると、ため息交じりに食卓でお茶を飲んでいる妻がいました。
「...どう? 片付いた?」
問いかけると首を横に振ります。
「色々出してたら、訳分からなくなってきて、余計足の踏み場が無くなったわ」
「こっちもさ、ようやくこれっぱかりだ」
私が紙袋を見せると妻もため息をつきます。
「全部大事なものに思えちゃうんだよね」
「そうそう、見てるうちに後で必要になるんじゃないか、って思っちゃって...」
どうやら悩みは同じようです。
「人から見たらどうでもよく見えるものってあるんだろうけどさ...」
そこまで言ってひらめきました。
「お互いに、相手の物を見て判断したらどうかな?」
「うん、それ、いいかも」
と言うことで、お互いのスペースの物を見て、不要だと思われるものは大きな段ボールに詰め込むという案を実行することにしました。
妻は私の部屋に行き、私は妻の部屋に行きます。
確かに床一面に物が散らばっていて惨憺たる有様ですが、私の目にはほとんど不要なものに見えました。
「こんな古い本、もう読まないだろ...これは? 仕事の資料か、でももう終わった案件だよな...」
むかし端切れで小物作りにはまっていたころにため込んでいた布の山、デパートの紙袋や包装紙の束。
本人からすれば思い入れもあるのでしょうが、今となっては使わないであろう物がどんどん出てきます。
2時間ほどお互いに「断捨離の鬼」となった後には、大きな段ボールに詰め込まれた品物と、見違えるほど広くなった部屋が残されました。
私の部屋も実にすっきりと物が無くなりました。
段ボールの中を見てみると、何となく捨てられなかった雑誌や取ってあった家電の空き箱、毎年貯まっていくばかりの年賀状の束、などなどが詰まっていました。
改めて見てみると「捨てなくてもいいかな」と思う物ばかりなのですが、それはつまり「捨ててもいいかな」と言うことなのだと気付かされました。
客観的な目で見れば「不要」と言うことなのでしょう。
もしかするとやっぱり必要だった、と言うこともあり得るので、1年ほどはそのまま部屋に置いておいて、その間この箱の中を探ることがなければ一気に処分するつもりでいます。
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