認知症のお義母さんと、手足は不自由だけどしっかり者のおばさん(義叔母)の二人を在宅介護するバニラファッジさん。今回は、お義母さんと「ふたりきりの時間」に起きたエピソードをお届けします。「ラッキー♪」と喜んだのも束の間...!?
前回の記事:「夜中の雷、すごかったですね」そう聞いた私への、認知症の義母の「素敵な返答」
認知症のお義母さんといつもいる妹のおばさんが、検査入院をしたので仕事場を移動して、お義母さんの側にいることに。
体が不自由なおばさんと違って、お義母さんは判断ができないだけで、見守りがあればできることも多い。
例えば、「トイレはどこだったっけ?」とか 「テレビを消したいけど、どうするの?」とか 「ここの電気はどこで点けるの?」とか「お茶はどこにあるの?」とか。
面倒くさくても、毎回丁寧に教えてあげれば大丈夫。
認知症のお義母さんの介護は「側にいること」です。
いつもは、「歩けないおばさんがあれこれ判断して、お義母さんが動く」という、相互老老介護だけど、この日は嫁が相方なので至れり尽せりでとても機嫌がいい。
しかし、これも一歩間違うと大変なことになります。
母屋で子どもたちとおしゃべりした後、ついでにたまった家事をし、遅くに帰宅したダンナの夕飯を用意。
離れのお義母さんは静かにテレビを観ているようだったので、しばらく母屋にいいた。
1時間後にお義母さんのところへ行ったら...
テレビとクーラーはつけたままでしたが、部屋は片付いていて、真っ暗。
お義母さんは、すでに部屋でぐっすり寝ていました。
いつもは、おばさんの就寝支度やら、お義母さんの誘導やらで忙しい夜だけど、お義母さん1人なら全然手がかからないことが判明!
介護されるおばさんにつられて、いつもは同じように甘えてくるお義母さんですが、本当は自分でなんでもできるんだ♪ラッキー♪と思いました。
そんなことのあった、翌朝のこと。
私の朝の介護は、いつもお義母さんの着替えから始まりますが、もしかしてそれも1人でできているかも、と期待に胸はずませて離れに行きました。
ところが...
家のあちこちが、おしっこで濡れていました。
お義母さんは、日中は1人でもトイレで用がたせますが、夜間は危なっかしいのでパンツ型おむつ(通称リハビリパンツ)を使用しています。
おそらくリハビリパンツが濡れたので、脱いでそのまま何もつけずに寝てしまったようです。
ぐっすり眠れた夜は大丈夫ですが、眠れなかった時は、こんな失敗もあります。
「トイレがわからなかったらおむつの中でしてくれればいいのに。」
「失敗したのは私がいなかったからだって、きっと私のせいにするし。」
などと、ちょっとイライラしながら掃除していましたが、掃除が終わった頃には「こんな時は、どうやってお義母さんに声をかけようかな...」と考えながら、お義母さんの部屋に行きました。
結局、自分が思いつく限りのやさしい言葉をかけてみました。
最初は嘘でも、話しかけているうちに自分の心が落ち着いていくのがわりました。
おそらく、夜中の記憶のない義母さんですが服や布団が濡れている今の状態は、不安でいっぱいだったと思います。
「ありがとう、悪いわね。」と、不安そうな顔で言われて、ああ、ガミガミ言わなくてよかったな、と思いました。
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