認知症の義母と、体が不自由な義母の妹を在宅介護するバニラファッジさん。誰にでも毒舌で、すぐに色々なことを忘れてしまうお義母さんと、手足は不自由だけれど、しっかり者のおばさん。個性的な2人との介護の日々を描いた「伝説の介護ブログ」から、笑いあり、涙ありのエピソードをバニラファッジさんが再編集、連載形式でお届けします。
前回のエピソード:「私は悲しくて立てません」。認知症の義母のリハビリでのハッとするひと言
今回のお話は、背中の圧迫骨折で入院していたお義母さんが無事退院した時のお話です。
お義母さんの体調は入院前の状態とは程遠く、胴体にコルセットを巻いていました。
入院前は畳に布団を敷いて寝ていたお義母さんですが、退院後は寝たり起きたりが大変なので、介護保険を利用して「電動ベッド」を導入しました。
しかし...
入院中はベッドのお世話になっていたのに、自分の部屋にある見慣れないベッドにはとても抵抗感があるようでした。
「寝方がわからない。」と言うので、レクチャーすると...
てんやわんやの大騒ぎで、やっとベッドに横になってくれました。
「ベッドの方が寝たり起きたりが楽ですから、とにかく今日からここで寝てください」
そう説明し、落下防止の柵をつけて部屋を出ました。
夜中に1度のぞいた時も、静かに寝ていたので安心しました。
しかし...
翌朝のお義母さんの様子は衝撃的でした。
畳に布団を敷いて寝ていたのです! お義母さんは夜中にベッドの柵を乗り越え、押入れから布団を引っ張り出し、そこで1人ぐっすりと寝ていました。
お義母さんのどこにそんな力があるのかと、本当に驚きましたが、痛みも忘れて一途な行動にでるのは、認知症のなせる技なのかもしれません。
しかしまた尻餅でもつけば、即入院になってしまいます。
それからは布団とベッドと両方用意し、少しずつベッドに移行する練習をしました。 認知症高齢者は、新しいことを受け入れるのに時間がかかるようです。
「お義母さんも元気なうちからベッドに馴染めるよう、準備しておくべきだったな...。」
そう思わされた出来事でした。
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