<この体験記を書いた人>
ペンネーム:にーにに
性別:女
年齢:35
プロフィール:子供なしパート主婦(転職活動中)。
結婚を機に、それまで働いていた技術職を離れた私は、転居先の飲食店でホール係りのパートを始めました。
実はこのパート先は、大学生のころに2年間アルバイトをしていたチェーン店。
全く知らない店ではないので心に余裕もあり、明るい希望を持ってパート生活はスタートしました。
ですが、そこにいたのは...絵に描いたような「お局様」。
私より5歳年上の、現在39の歳Aさん、立場はバイトリーダーでした。
初日にトレーニングをしてくれた際は「少し言い方にトゲがある方だな」という第一印象。
何かと私のことを「経験者なので」というひと言をつけて話します。
経験者といってもブランクは10年近くあり、仕事内容やマニュアルなんて忘れ去ってます。
覚えているのは楽しかった青春時代のキラキラな思い出だけです。
ということで、少しAさんに苦手意識を持ちつつパート生活を始めましたが、最初の土日を終える頃には苦手どころか恐怖になりました。
まず、Aさんはお店の回転が悪くなるとヒステリックになります。
Aさんがヒステリーを起こすとお店全体が萎縮して動きが悪くなっていき、雰囲気も悪くなります。
そして新人の私がターゲット期間でしたので、何をしてもあーでもないこーでもないと言われ、正解が分からなくなります。
正解が分からないと、どう動いていいか、戸惑いが生じてしまい、結局動きが悪くなりますよね。
Aさんが意地悪だなと思うのはここです。
新人教育を任せられている立場にも関わらず、自身の機嫌でまだ動き方がわからない新人さんを否定し、わざと戸惑わせるんです。
さらに意地悪なのは正解を教えないこと。
そこは考えなさいということみたいです。
普段だったらそういうやり方もあるでしょう。
でも時間に追われているピーク時には時間の無駄です。
少し動きが鈍い人や、次から次へと来る新人さんには「辞めろ」とでも言わんばかりに、何をしても否定、否定、否定...。
逆にAさんよ、誰ならあなたのお眼鏡に適うの...という感じです。
さらに厄介なのは、Aさんの店長からの扱い。
トレーニングもできて、店長不在時にもイレギュラー対応できて、店舗の勝手を全て知っているAさんを、店長は上手に扱うので、もう彼女の王国状態です。
うーん、辞めようかな、パートだし。
そんなことを思い始めました。
根性とは無縁の「嫌ならやめろ」精神です。
良いとは言えませんが。
いつか辞めようと思いながら鬱々と過ごしていると、2カ月目あたりに同じ趣味を持つ同僚ができ、仕事に行くのが楽しくなってきました。
Aさんがいない日なら問題ない! と自信もついてきて、半年経つ頃には人間関係も形成され、Aさんのターゲット認定期間も終わりました。
相変わらず怒号は響き渡っておりますが、私に対する態度は普通になりました。
そして、転機が訪れたのは10カ月が経った頃。
こればっかりは運がよかった!
店長が変わり、新たな店長が、今までのやり方を改革してくれたのです。
バイトリーダーAさんの「一強状態」を改め、社員とアルバイトの線引きをキッチリとしてAさんの権限を大幅に縮小したんです。
これにAさんは自分は必要とされていないと感じたようで、大人しくなるどころか辞めてしまいました。
いつも「嫌なら辞めろ」でやってきた私ですが、今回のこの一件で、思い直しました。
「嫌なことを続けてみる」ことにも、意味があるんだな。
時間が経つことで実ることもあるんだな、と。
Aさんのようなお局様は、どの仕事、どの職場でもいると思います。
そういう人から嫌がらせを受けても、すぐ辞めたりせずに頑張って続けていると、物事が好転することがあるんだ...と思えた出来事でした。
ただ、あまりにも耐える期間が長いと精神面が病んでしまいますので、その時期の見きわめは大事ですが。
そんなこんなでお局Aさんのおかげで今までの仕事に対する価値観と言いますか、人生観と言いますか、少しだけ視野が広がったように思えます。
今なら言えます、Aさん、ありがとうございます。
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