そんなに捨てられなかったけど、なんだか幸せな時間が。69歳の母と「実家を片づけた一日」

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:Bベア
性別:女
年齢:45
プロフィール:パート勤めをしながら主婦してます。子どもが少し大きくなり、両親のこれからのことも考えるようになってきました。

そんなに捨てられなかったけど、なんだか幸せな時間が。69歳の母と「実家を片づけた一日」 19.jpg

みなさん、両親が亡くなった後の実家の片づけについて考えたことはありますか?

「遺品整理がとにかく大変だった。あなたもお母さんが元気なうちに、片づけをしていたほうがいいよ」

先日、お母さまを亡くされた友人から、こんなアドバイスをもらいました。

私の両親は、父が73歳、母は69歳。

まだまだ元気で、身の回りのことを手伝うなんてことは全くなく、むしろ、私が子どものことで手伝ってもらうことのほうが多いほど。

遺品整理なんて考えられないのですが、頭も体も元気なうちにやっていたほうが良いと思い、私も手伝うからと、いわゆる「断捨離」を勧めました。

もともと、整理整頓は得意な母。

素敵な食器や、着ていないと思われる衣服も丁寧にしまってあります。

一見、断捨離は不要に見えますが、使っていなくてもったいないなと感じるものが多かったです。

「さあ! 捨てるぞ!」

気合を入れて実家に乗り込み、「使う、使っていない」でどんどん断捨離をしようとしていた私。

ところが...。

明らかに使っていないものでも、捨てられないという表情を見せる母の姿がありました。

その母の姿を見て...私は自分が母の気持ちに寄り添えていないことに思い至りました。

もともと旅行が好きな私の両親。

旅先で素敵な器を見つけると購入していたそうで「ガラス工房で一目ぼれして買ったのよね」としまい込んである食器に思い出があるようでした。

母は普段使いする食器とは別に、思い出の品としてとっておいているのかもしれません。

大切にしまっておいたものを「使っていないのだから捨てちゃいなよ」なんて言われたら悲しいですよね。

そこで、声掛けの方法を変えてみました。

「このお皿、使ってないみたいだけど素敵だから、こっちのお皿は捨てて、新しいのを使ってみたら」

「このお皿を使うたびに、お父さんと思い出話をするのも、頭の体操になっていいんじゃない?」

そんな冗談を加えながら、ゆっくりゆっくり仕訳をしていくうちに、母も「これは十分使ったから処分しようかな」と言ってくれました。

気持ちが変化し始めたのです。

そして片づけをしているときに思い出したことが! 

私も子どもが幼稚園で作った制作物がどんどん貯まってしまったときに、写真に収めて保管しきれないぶんは処分しました。

だから母にこう提案しました。

「処分する前に、写真に撮って忘れないようにすればいいんじゃない?」

すると、母に笑顔が。

気持ちの整理がついたようで、写真を撮って食器や、洋服とお別れをしていました。

ついでに、処分しないものも写真を撮って、箱に貼っておけば次に整理整頓するきも、楽ちんです。

断捨離というほど処分はできませんでしたが、なにがどこにあるか、この箱には何が入っているかわかるだけでも成果ありだったと思っています。

久しぶりに、両親とゆっくりコミュニケーションを取りながら作業できたのも良かったです。

母の物を大切にする気持ちを肌で感じることができた、幸せな時間でした。

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