<この体験記を書いた人>
ペンネーム:冬華
性別:女
年齢:52
プロフィール:体調不良を解消してくれるお茶を探していろんなお店を探索している主婦です。結構な安価でいいものがあり楽しいです。
もともと農家だった我が家には100坪くらいの庭がありますが、何代も前から農業はしておらず、主人も会社員です。
少しのじゃがいもを作ったりはしているのですが、あまり手がかけられないので質のいいものは採れず、すぐに草に埋もれてしまう状態です。
それでも、近所の人が果物をくれたり、実家の母がもらった野菜を分けてくれたりするので、食材は結構間に合っています。
時には余るくらいいただくので、都会出身の友人に分けてあげていました。
すると、この友人から「この庭で野菜を作らないのはもったいない」と強く勧められるようになりました。
その時は、私が52歳になり体調が不安定なこと、さらに、主人は60歳間近の勤め人で、体力が落ちて腰痛も悪化しているから、野菜作りはできない、と伝えました。
でも、その友人はそれでもしつこく勧めてくるんです。
私はそのたびに、適当に流していたのですが...
ある日、柿をたくさんもらったのでおすそ分けしようと、その友人に家まで取りに来て、と言うと、唐突にこんなことを言ってきました。
「大根とか作ってもいいの?」
...なんの事?
私はキョトンとしていると、彼女の知り合いの植木屋さんが「友達のところに場所があるなら野菜を植えてくれる」と言っているというのです。
その植木屋さんは、私も彼女に紹介されて知っていたのですが、本業は農家です。
私は、自分の知らない所で勝手に相談されたことにやや不快感を覚えたものの、一瞬「無料で植えてくれるならありがたい」と欲を出してしまったのです。
...でも、これが大きな間違いでした。
まず、主人に話してみましたが、とあまり乗り気ではありません。
私も時間が経つとともに、母がよく言っていた「軒(庇)を貸して母屋を取られる」ということわざや、「土地を貸すと返ってこない」という噂を思い出し、不安になってきました。
そのことをメールで遠回しに伝えたのですが...
友人からは「土地を借りるんじゃなくて野菜を作るから、それを分けてもらうってことだよ」と返信が来ました。
その後、耕すために機械をレンタルするので5千円かかるとか、肥料を買っておいてと言われました。
そこで私はまた不安に。
今はそれぐらいの金額でも、そのうちあれもこれもと要求して来られたらどうしよう...と。
そこで、とりあえずその植木屋さんに我が家の手入れの見積りに来てもらい、その時に詳しい話をしてみました。
すると、どうやら「小さな庭の片隅にちょこっと植える」ということを想像していたらしく、うちの庭を見て尻込みした様子。
結局あいまいな返事でかわされた感じになり、その話しはお流れになりました。
友人にその経過を話すと...すっかり我が家の庭でできた野菜をもらうつもりだったのでしょう、友人は機嫌を損ねた様子です。
「お金がかかるからってことでしょ」
そんな見解を繰り出しつつも...
「あれだけ場所があるんだから作ったほうがいいよ。旦那さんはやらないの?」
...と、しつこく迫ってきました。
自分で作ったものやもらったものをあげるのはいいですが、人の家の生活にまで口を出されるのは気分のいいものではありません。
そもそもその場所は畑ではなく庭であり、旦那の先祖から受け継いだ大切な土地です。
それに地目も農地ではなく宅地で、毎年12万円強という生活を圧迫される額の税金を払って守っているのです。
他人からみたら荒れた土地でも私たちにとっては貴重な財産です。
宅建の資格を持っている私は、将来、なんらかの土地活用もできたら...というぼんやりした夢もあります。
それを使ってないんだから使わせてもらってもいいよね、という感覚で迫ってこられるのはかなり不快です。
その後、家で食べきれないほどもらいものがあっても彼女にあげるのはやめ、彼女からの連絡も来なくなりました。
もし、あのまま頼んでいたら、ここも空いてるあっちも空いていると、どんどん入り込まれて、土地をあげてしまうことになったかもしれません。
そう思うと、今はこれで良かったとホッとしています。
以前にも土地を貸してほしいという話はありましたが、今後はこういう類の話は最初にきっぱり断ると決めました。
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