<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ももちょん
性別:女
年齢:52
プロフィール:75歳の母はとにかくお喋り。30歳になる私の娘と3人で同居を始めてから私が母の話を聞く役目になっています。
母はとにかくお喋りで、ご近所さんだけでなくどこの誰とでも話をします。
病院の待ち時間で隣り合わせた人や、スーパーのレジで前後に並んだ人など。
おばさんの特徴と言えば確かにそうなのですが、私もそれなりの年齢になりましたが見ていて引いてしまうほどです。
誰とでも仲良くなれるのは悪いことではないし、会話をしてそれっきりの人ばかりなので、特別に困ることはありません。
ただ、そういう会話の中で母が仕入れてくる内容は、不幸な話というか家庭の中の問題や悩みの話が多いのがちょっと引っ掛かっています。
理髪店で働いているのでお客さんとの会話も多い母は、仕事場での話題も毎日毎日家に持ち込み、夕食の時間などは母の独壇場です。
話す内容は例えば「今日のお客さんの家は息子さんが大病をして以来、親御さんの年金だけで生活しているらしい。働き盛りで病気になるのは本当に大変だよね」という感じの内容です。
そして話した後こう続けます。
「それに比べればうちはまだ私もこうして少しは働けるんだし、有難いことだよね」
確かに、とは思います。
「今日最後に来たお客さんは一人暮らしなのに今年初めに病気でほとんど視力がなくなったらしい。それに比べればうちはまだあんたたちもいてくれるし、私も元気だし良いよね」と。
こういう話も確かに、としか言いようがありません。
ですがどれも聞いていて気分の良いものではありません。これを食事の間延々と聞かされるのです。
しかも最後に必ず「それに比べてうちはまだマシ」というオチが付きます。
これが私は一番好きではありません。
自分より、または自分の家庭より幸せそうな家を羨んでばかりいるのも良いとは思えないのですが、反対に他所の家の暗い話を聞いて、それよりうちは良いなんて。
そういう比較の仕方をする母の感覚が理解できないのです。
一番首を傾げてしまったのは、ある人のお宅で父親が痴ほう症で時々出掛けたまま帰って来なくなり、遂に警察に捜索願を出して大騒ぎになったという話。
また他所の家では高齢だから自動車の免許を返上しようと言う家族の話に耳を貸さなかった父親が、大きな事故を起こしてしまったという話をしていた時のこと。
その話を私にした後で母はこう言いました。
「ご家族は大変だね。そう思うとうちのお父さんが亡くなったのは残念だし寂しいけど、周りに迷惑を掛けずに亡くなったんだし良かったのかもね」
これには私はどう答えて良いか分からなかったのです。
正直なところ、私は父にもっと生きていて欲しかったとしか思えないので、母の言葉が納得できませんでした。
生前より父から、母のお喋りの相手はとても大変で、適当に聞いていたり返事をしないと機嫌を損ねると聞かされたことがありました。
その頃は別々に暮らしていたので父は大変そうだなぁと思う程度だったのですが、ここまでかと正直驚いています。
そしてそれを聞かされているだけに、「そういう話はあまり聞きたくない」などと言えば、母がどんな態度をとるかと思うと気が重くて伝えることができません。
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