<この体験記を書いた人>
ペンネーム:がんこちゃん
性別:女
年齢:44
プロフィール:現在は、主人と子ども、そして義母と同居しています。
私の母は今年で72歳。住宅ローンが残っていることと、年金やこれまでの蓄えだけでは今後が心配だからと、今でも現役で働いています。働くことが好きということもあるのでが、1日7時間労働×週5日で勤務し、72歳とは思えないほどです。
反対に母の10歳年上の82歳の父はというと、60歳の定年を機に全く働かず、家でだらだらとした生活をしています。
父ができる家事といえば、母がいないときにインスタント麺が食べれるようにお湯を沸かすことだけ。煙草をふかしながらテレビを観て、お酒を飲んで......。
自分のことすら一切やらない父の面倒も見なければならないので、母の身体がとても心配です。
私も母の助けになろうと、頻繁に実家に行って家事の手伝いをしたり、母の愚痴を聞いたり。スマホも使いこなす母に、孫の写真や日々の成長を見てもらったりして気分転換になればと私なりに親孝行をしているつもりなのですが、母にとってはいくつになっても私は娘で、孫のことよりもまずは私の心配をしてくれます。
実家に行けば、たくさんのお料理で食卓がいっぱい。孫たちの好きなものもありますが、娘の私の好きなメニューもたくさん。
片づけこそ私がやるものの、その間に孫たちをお風呂に入れてくれたり、お布団を敷いてくれたり、休むことなく動いています。
「毎日、○○ちゃん(私の名前)は仕事をしながら、3人の子育て、家事もあって、頑張ってるから、実家にいるときくらいはゆっくりしなさいね」
高齢になっているのに、いつまでも子どもの世話をめんどくさがらずしてくれる母。こんな言葉をかけてくれるだけでも嬉しいのに、私が少しでも休息できるようにしてくれるのです。
家計的には裕福ではなかった我が家。父のお給料だけでは生活も苦しかったので、母が家族のために懸命に働いてきました。
そんななか、私を私立の高校・大学へ行かせてくれた母には頭が上がりません。
私が社会人になってからは、母に迷惑をかけないようにと心がけ、結婚する時も母からもらったお祝い金は少しだけ受け取り、そのお金で母や父と独身最後の旅行に行きました。
今の私も高給取りではないので、金銭面的に母が楽になるほど援助はできないのですが、実家に帰った時も迷惑はかけないようにしています。
そんなある日、母が通帳と印鑑を私に渡しました。
通帳の日付を見ると、私の結婚記念日が最初の一行目。金額は、結婚するときに渡してくれたお祝い金と同じ額。そして、少額ずつでしたが毎月入金されていました。
「○○ちゃん(私の名前)、あなたの子どもも大きくなってきて何かと必要でしょう。あなたが働いた分は、子どもたちに必要なものを買ってあげなさい。このお金は、あなたのために使いなさい。でも、もしこのお金を子どもたちに使うなら、このお金の分だけあなたは仕事を休んで、身体をゆっくり休めなさい」
40歳を過ぎた娘でも、母にとって私はいつまでも子どもで、私が母を心配している以上に、母は私のことを思ってくれているんだと痛感しました。子どもを持つ親となった今では、より母の思いがあたたかく届いて、涙が止まりませんでした。
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