性別:女
年齢:56
プロフィール:87歳の母の介護生活がスタートして1年。今は、母と穏やかな日々を送っていますが、今後どうなるか不安で一杯です。
※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。
◇◇◇
母は、1年近くの入院生活中に突然認知症の症状が出始めました。
最初は深いショックを受け、なかなか受け入れる事ができませんでしたが、徐々に現実と向き合い、1年前、母が退院してからは、私が介護をしながら2人で生活しています。
母の介護は、私の仕事や毎日の生活を一転することになりました。
朝5時に起きて、掃除、洗濯、炊事などの家事をこなしながら、仕事も在宅ワークにし、なるべく母の介護ができる環境を整える事にしました。
母の介護度は、1年前に認定された要介護2から最近、要介護1に変更になりました。
それは、母の認知症が改善したわけではありません。1年前は退院したばかりで、日常生活に慣れていない事もあり、それを考慮されたのだと思います。
今のところ、母は自宅の中は自由に歩き回れるので、トイレのお世話はまだ必要ありませんが、家事はほとんどできません。
物忘れが激しく、ガスや電化製品の使い方も覚える事はできません。
薬を飲んだかもすぐに忘れてしまうので、私が預かり、そのつど声掛けしながら飲ませています。
それでも、母は何か役に立ちたいと思う気持ちで、私が外出から帰ると洗濯物を取り込んで、たたんでくれている事もあります。
母の思いを尊重したい反面、躓いて転ぶ事の方が不安です。
母は、デイサービスに週3通っていますが、何も言わないと、同じ服を毎回着ていきます。
同じ事を何回も何回も聞いたり、言ったり、初めて聞くかのように対応していますが、たまに忙しい時に同じことを5回、6回も言われると、「もう~、さっきから何度も言ってるやろう」とつい言ってしまいます。
認知症の母にそんな態度はダメだと認識しているのですが、ついつい言ってしまっては、その後すぐに反省する事の繰り返しです。
それでも、母が笑顔で「私は、頑張って100歳まで生きるもんね!」と言う姿は、とても微笑ましいものです。
この間、たまたま仕事で外に出るのに、お昼はゆっくり出来ないので、おにぎりでも作って行こうと準備をしていたら「おにぎりなら、私がにぎるよ」と母が言ってくれたので、にぎってもらいました。
中に梅やお漬物を入れ、のりを巻いてくれました。
昼休み、公園のベンチに座って母が作ってくれたおにぎりを食べながら、ふと、入院前には毎日母が作ってくれていたきれいなお弁当を思い浮かべました。
もう、あの奇麗なお弁当を食べる事はないのかなぁと思いつつ、久々に母の手作りのおにぎりの味は、涙がこぼれるほど美味しかったです。
母を一人で置いて外出する時は、ガスの元栓をしめ、洗濯物は干しません。
そしてよく仏様に参るのでその時に使うマッチを隠していきます。
「歩くときは、くれぐれも気を付けてね」と何度も言って外出します。
事故を未然に防ぐためにとても気を付けています。
母の介護は大変な事も多々ありますが、今はとても穏やかで幸せな日々です。
だからこそ、突然寝たきりになったり、もっと認知症が進んだりするかもと思うと、不安で不安でたまりません。
しかし現実は、起こる時は突然でも起こるものです。
常に覚悟だけはしておこうと思っていますが、そう簡単ではありません。
今出来る事は、一生懸命働いて、もしもの時に備えて貯蓄をしておく事や母の介護がいつまでも元気で行えるように、自分の健康管理、食生活に気を遣うことだと思います。
最近は運動不足解消にバドミントンをはじめました。
なるべくストレスが溜まらないように人との交流も積極的に行っています。
普段から、何があってもスムーズに対応できる環境を整えておく事が母のためでもあり、私のためでもあります。
お金と心と身体のバランスを保つ事が、今、精一杯の私なりの覚悟です。
■人気の体験記
仕事を辞めて「玄関掃除」してたら...次々幸運が!これって風水パワー?
孫が生まれるなら、自分も生きる! 手術を決意した父は孫に全てを注ぎ込んで逝った
「抱っこさせてくれるの?」名家に嫁ぎ、劣等感にまみれた私の前で、初孫を抱いて涙ぐんだ義母
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。