<この体験記を書いた人>
ペンネーム:花子
性別:女
年齢:59
プロフィール:結婚を機に仕事を辞め、専業主婦をしています。子どもたちも独立し、夫婦水入らずの毎日です。
私は結婚を機に仕事を辞め、専業主婦をしています。
結婚後すぐに授かった子どもたちも今では独立し、それぞれの生活を始めています。
私自身の専業主婦生活も、もうすぐ30年を迎えようとしているのですが、ひとつ問題があるのです。
家事全般を任されている私ですが、何年主婦をしていても悩んでしまうのが、毎日の献立です。
健康や栄養バランスを考えつつ、なるべくかぶらないようにレパートリーを増やそうと、料理番組を見たり、レシピ本を買ってみたりしていますが、なかなかうまくいきません。
子どもたちが出て行ったことで、子どもたちに意見を聞くこともできず、夫婦だけでは食べる量も少ないため、より一層献立が難しくなってしまいました。
しかし、一番の大きな原因は、夫と私の味の好みの違いなのです。
日中、仕事で体を動かしている夫は、塩分の多い濃い味を好みます。
私は実家が薄味だったこともあり、ずっと薄味派です。
それでも、仕事を頑張っている夫のために、なるべく濃い味付けにしているつもりなのですが、夫からのぼやきはしょっちゅうです。
それも、はっきり言わずに独り言のように文句を言うのです。
それを聞くたびに私は、ひとりでもやもやしていました。
ある日、和食の定番の煮物を作りました。
煮物は、調味料もしっかり使うので、よく作るメニューのひとつです。
鶏肉やレンコン、サトイモなど筑前煮のような材料で作ったのですが、夫は食べながら一言、「味気ない、しいたけが少ない」と言いました。
普通に話しかけてくれればいいものを、わざわざテレビを見ながら料理の感想を言うのです。
不満をしっかり言わないことがかえって嫌味のように感じ、イラっとしました。
私は、夫に直接文句を言うことにしました。
すると、夫は「今までは子どもたちもいたし、薄味でも我慢していたけど、今はふたりだから好きなものを食べたい」とのこと。
私は、夫は今まで我慢をしていたのかとショックを受けてしまいました。
でも、思い返してみると、子どもたちがいた頃の食事のときは、特に文句も言わず、勝手におかず類に醤油や塩をかけて食べていたのです。
私は、夫の独り言を嫌味のように感じていましたが、夫なりに味の感想を本当に素直に言っていただけだったのです。
ひとりでイライラしていた私は、自分自身がおもしろくなってしまい、笑ってしまいました。
私は、自分が薄味好きなことを改めて伝えたうえで、今までと同じ味付けで料理を作ることにしました。
そして、夫側のテーブルには夫専用の調味料入れを置いて、好きなように使ってもらうことにしました。
せっかく作った料理に調味料をかけられるのも、あまり好ましい光景ではありませんが、夫につき合い濃い味を無理に食べながら、夫の独り言のような感想にビクつくよりも何十倍もおいしくご飯を食べられています。
夫婦と言っても、味の好みはそれぞれです。やっぱり夫婦水入らずの食事は、楽しく過ごせるのが一番ですよね。
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