さよならぺーやん。せめて最期はおうちで一緒に.../フニャコ

甘え上手な猫ぺーやん(♂)がお空に帰ってペットロスのフニャコです。記憶が鮮明なうちに、ぺーやんの最期の時に向き合って記事に書いて残します。

前回の記事:開腹腹手術の結果は末期ガン...愛猫最期の闘病記/フニャコ

開腹手術で末期ガンだと分かり、手の施しようがない場合はそのまま閉じるという話でしたが、一番苦しんでいる腸閉塞の状態のままにしておくことは考えられず、先生と相談した結果、まだ組織がくっついていないその日の夜に再度開腹し、腸閉塞を起こしている部分の癌を摘出してくれることとなりました。

ペットを亡くすと、「ああすればよかった。こうした方が良かったのでは?」と、後悔する方が多いと聞きます。私もまさにその1人でいくつか後悔がありますが、この選択をしたことに対して今もなお「ぺーやんごめんね」と言葉が出てきます。苦しい思いをさせてごめん。

夜、手術後に成功の電話を受け、ほっとしました。後はぺーやんの回復を待つだけで...病院にいれば安心です。今が一番苦しいと思うけど、だんだんと元気になるから...と思いながら床に着きました。

翌日病院で摘出した患部や、縫合後の写真を見ながら説明を受けました。手術前に聞いたリスクで、縫合した部分がくっつかない場合があると聞いていましたが、綺麗に縫ってくれている写真を見て、素人目ですが、これは大丈夫だと思いました。

「あとは、ペロ君の回復力にかけましょう。」

そして術後のぺーやんとの面会です。

さよならぺーやん。せめて最期はおうちで一緒に.../フニャコ IMG_7745.PNG

ぺーやんはケージの奥で私の方を見ようとせず、向こうを向いたままでした。いくら話しかけても、顔を覗き込んでも目を合わせようとしてくれません。

病院が大嫌いなのに病院に連れてきて、痛い目に遭わされ置いていかれて...当然の態度です。ぺーやん、ごめんね。

順調に回復し、食事が摂れるようになれば2日後には帰ることが出来る。大丈夫だからね、ぺーやん。祈ることしか出来ないけど、明日も面会に来るからね。

手術前も手術後もですが、色々なリスクを聞いていました。でも私は願望からなのか、そんなことはあるはずがない、きっと上手く行くという気持ちだけでリスクを頭では分かっていたつもりで、向き合っていなかったのでしょう。悪い方へ考えると、そうなってしまう気がして悪い方には考えたくなかったのかもしれません。

翌日は午後に面会に行く予定でしたが、午前中に病院から電話があり、ぺーやんは何も口にしない上、低体温になっているとのこと。

何で??どうして?末期ガンでも寿命までは、元気になってごはんも美味しく食べられるようになるはずなのに...?

急いで病院へ向かう私は、初めてこの時に、回復が望めないかもしれない、早いお別れになるかもしれない。これが現実なのだと思い知りました。

先生からは、厳しい状況で容体は良くない。回復の可能性が一番高いのはやはり病院での医療処置なので病院としては入院を延ばして様子を見たい。だからと言って確実に回復する訳では無く、病院で亡くなる可能性もある。何か口にしてくれればぐっと回復の可能性があがると言われました。病院で回復するのであればお願いしたいけれど確実ではないのなら、病院嫌いだから家に帰ればごはんも食べるのではないだろうか?

先生はその可能性も無くはないが、もし食べなかった場合は覚悟が必要で、今家に帰れば、回復する子は1年に1件あるかないか。それは「奇跡」が起きた場合のこと、とのことでした。

ぺーやんの様子を見ながら考えることにしました。

ケージへ近づき、ぺーやんを見た瞬間に私の心は決まりました。

昨日はこちらを見なかったぺーやんが、私の呼びかけに大きな声で鳴き始めたのです。

さよならぺーやん。せめて最期はおうちで一緒に.../フニャコ IMG_7746.PNG

聞いていられないようなつらい声で呼びかけに応えるぺーやんに対し、迷いはありませんでした。

病院の人には無反応でも私には反応してくれた...これなら家でならごはんも絶対食べてくれるはず。普段ネガティブなくせに、ここでも少しの可能性にかけ、それを信じていたのです。

家に帰り、様子を見ながら温めていると体温は平熱に戻りました。やはり病院と比べて少しはリラックスしている様子に見えました。でも歩くこともままならない...。

さよならぺーやん。せめて最期はおうちで一緒に.../フニャコ IMG_7747.PNG

起き上がり、数歩歩いては倒れ込む。こんなに衰弱していたとは...。ペットシーツを敷き詰め、おしっこをするたびに取り替え、体が濡れて体温が下がるといけないので拭ける範囲をタオルでそっと拭いていました。

そして問題は食事です。食べてくれると思っていたけれど、力を振り絞り抵抗し食べてくれません。食事自体が嫌なのだとショックを受けました。何でも良いから食べて欲しい。ぺーやんが好きそうな、ありとあらゆる柔らかいフードやおやつを買い集め水で薄めたりして何度もチャレンジしましたが駄目。無理にでも...と一口だけスポイトで与えると嘔吐。翌日以降は食べ物の匂いを嗅ぐだけで嘔吐するようになりました。

何が一番良い選択なんだろう。また入院したら良くなる可能性はあるんだろうか?訪問に来てもらうには手術予定が入っている上に片道1時間弱の距離で叶わず、せめて通院しようか...色々と考え、先生に電話をして相談もたくさんしました。しかしもう、病院で治療しても回復は見込めないようでした。

せめて苦しみだけでも和らげてあげたい。人の目に触れない所に隠れようとするぺーやん。歩くのも辛そうだったのに移動しようとします。直接顔が見えないようにダンボールで仕切りを作りました。病院から帰り、亡くなるまでの数日間。夫や娘、母と交代しながら、夜もずっとぺーやんの側でいました。時々嘔吐をし、ふらつきながらもトイレまで歩き、おしっこをした時は驚きました。

最期の日まで頑張ったぺーやん。

さよならぺーやん。せめて最期はおうちで一緒に.../フニャコ IMG_7748.PNG

最期は大きく肩で息をし、息を引き取りました。

ぺーやんの最期を夫と看取ることができました。夫があんなに泣いた姿を見たのは初めてです。私たちは長い時間、時間が止まったかのようにそこから動くことが出来ませんでした。

ぺーやんごめんね。苦しい思いをさせてごめんね。

1ヶ月後に病理検査の結果が出ましたが、どの数値も厳しいものばかりで、余裕を持って完全に取り切り取ったかに見えた腸閉塞の部分の患部の両端の細胞にも癌が認められたそうです。想像以上に癌は進行しており、縫合した部分も見た目は繋がっていたけれど正常な細胞ではなかったため、細胞同士くっついていなかったのだろうとのことでした。

あの時、ぺーやんを連れて帰って良かった。家に帰りたくて鳴いたのかもしれません。

ぺーやんは体調不良の原因が解らず、3軒 の病院を受診しました。どの病院へ通ったとしても、後であれやこれや考えてしまったかもしれません。ぺーやんの治療をお願いした先生はとても丁寧に診察してくれて、素人の私にも分かるように丁寧に説明があり、こちらの疑問が無くなるまで全部答えてくれました。本当に感謝しています。

ぺーやん。

ぺーやん。

今は何をしてるのかな?

美味しいごはんをおなかいっぱい食べてね。

幸せな時間を一緒に過ごしてくれてありがとう。

【次のエピソード】「まだ火葬したくない」愛猫のやわらかな毛をなで続けた日/フニャコ

最初から読む:日々、猫と人間の知恵比べ!? 2匹の猫の里親になってみて/フニャコ

【まとめ読み】亡くなった猫・ぺーやんとの日々も...。フニャコさんの記事リスト

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

フニャコ

娘が小学生に上がる頃に猫2匹を迎え、絵日記ブログにて猫と家族との日常を更新中

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

フニャコさんのブログ:おそらくその平凡こそ幸せ

この記事に関連する「みなさんの体験記」のキーワード

PAGE TOP