旧友との再会...名前は出てこなくとも若い頃の記憶が溢れ出して/石塚ワカメ

みなさまこんにちは。アルツハイマー型認知症を発症した実母の近距離介護を行っている石塚ワカメです。

前回の記事:ヘルパーさんが来て少しは楽になる...のはずが、逆にストレスの元に

実母はもともと社交的な人でしたが、ちょっと変わり者で人の好き嫌いが激しく、昔からママ友やご近所付き合いはほとんどしませんでした。しかし少ないながらも学生時代からの友人や趣味の友人など長い付き合いの人たちはいて、よく一緒に旅行に行ったり食事会をしたりしていました。
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そんな実母と交友が深かった人たちに、実母が認知症になって近距離介護状態になってしまったことを伝えると、遠方はるばる会いに来てくれました。

私も若いころから知っている人たちでしたが、しばらく会わない間に、みな立派なじいさんばあさんに!
実母は髪が黒々しているぶん見た目は誰よりも若々しいけれど、実母と接し慣れている私は「普通の70代の人たちってこんなに会話がしっかり通じるんだ!」と驚かされます。なかには長くガンや難病を患っている人もいましたが、頭がしっかりしているぶん、いろんな意味で実母が彼らを追い越してしまったように感じました。

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実母はなかなか友人の名前が出てこないながらも、冗談を言ったり思い出話をしたりと、とても楽しそう!

よく認知症の人は昔の記憶は覚えていると言いますが、実母の場合一概にそうとも言えず、私が娘であることや長年やってきたはずの料理の仕方、以前住んでいた家など忘れていることも多いです。しかし友人たちとの会話に触発されたのか、若い頃の話をしては笑い転げているではありませんか!

友人たちも以前と同じように実母と接してくれているように見えましたが、帰り道には、何とも言えない顔をしていました。
若いころからの実母を知っていて、実母と同年代なぶん"明日は我が身"と思っていたのかもしれません。

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彼らの後ろ姿を見送りながら、自分もいつか年老い、何かしらの病気になったとき、こうして会いに来てくれる友人は何人残っているのだろうか。いつか友人が重い病を患ったとき、何がしてあげられるだろうか。そのとき、どんなことを思うのだろうか。と考えました。

今のところ想像でしかないけど、やはり実母たちのように、以前と変わらず軽口を叩いたり思い出話を笑ってできたらいいなと思います。

しかしそんな友人たちとの楽しいひとときも、翌日にはすっかり忘れてしまっていた実母なのでした!

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石塚ワカメ


70年代生まれのイラストレーター。二児を育てつつ、近距離に住む実母の介護も行う、仕事・育児・介護のトリプルハードワーカー。ブログ「ワカメ絵日記」を運営。著書に「妊娠さらし絵日記(飛鳥新社)」「毎日が育ジーザス!!(主婦の友社)」がある。

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