<この体験記を書いた人>
ペンネーム:PEN
性別:男
年齢:43
プロフィール:神経因性疼痛で自立歩行困難。杖をつく生活をしている独身の43歳。
私の母は、昔小学校の教師をしていました。小学生の中でも特に手がかかる低学年の担任を受け持っていたことが多いからか、とても世話好きです。教えた子どもからは好かれているようで、教師を退職したあとも年賀状のやりとりや連絡などがよくあります。
それもあって他人様から見るといいお母さんに見えるようなのですが、実際のところ本当は大変。世話好きなのはいいのですが、これが家庭にまで及び、私たち兄弟にも世話を通り越し、あれこれ余計なことをしてきます。子離れできない状態になっているのです。
私が子どもの頃であればこれも良かったのですが、普通に子が親離れする時期、私の場合は中学生の頃でしょうか、うざったくてしょうがありませんでした。まあ、その頃であれば、親のやることなすことそう感じるのかもしれませんし、それが普通なのかもしれません。ですが、母の場合は、私が20歳を超えてからも私のやることなすことに構わずにいられませんでした。食事や洗濯程度ならばともかく、服のセンスや部屋のセンス、片づけなどにも口を出してきます。また、勝手に洋服を買ってきて「似合うと思うから着てみて......」など、私の個性までも否定。さらに何かにつけて部屋に押し入ってきては、必要のない片づけをする始末。しかし、私も私で感情が表に出やすい人間のため、あまりにうざったいときなどは乱暴な言葉で突き返します。私としては成人し、仕事についている以上は当然自立する必要があるし、またそうでなければ格好もつかないと思うのです。しかし母はそれが理解できないようで、「親としては子どもは一生子どもだ」とある意味当然のことを言い返してきます。ですが私としては、教師を退職し、面倒をみる側から見られる側に変わってきていることを認識してほしいのです。何度もそのことを訴え続けたのですが、あるとき、もう口先だけの訴えでは無理と判断し、家を出て一人暮らしをすることに決め、ある日突然家から消えることになりました。しかし、当時はちょうど携帯電話が出始めた頃。私も使っていたのですが、毎日ちゃんと生活しているかチェックの電話の嵐が始まったのです。幸いアパートの場所を教えず、住民登録の住所も変えずに出たので押しかけられることはありませんでした。
今では母もさすがに諦めているようで、とりあえず事なきを得ています。しかし、私の妹はやはり女同士で気が合うためか未だにべったりで、母の世話を受け続けているのです。ある意味職業病なのかもしれませんが、社会人である息子や娘にする行為ではないと感じ、未だに困っています。
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