<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ちもて
性別:女
年齢:52
プロフィール:子育てはほぼ終了、勝手気ままに暮らしたいほぼほぼ主婦。
8歳上の姉には男女一人ずつ子どもがいます。二人とも独身で、社会に出て数年が経ちました。そんな姪が高校を卒業した頃、母娘で韓国旅行に行ったとき、すごく当たると評判の占い師に見てもらったという話を聞きました。姉は嬉しそうに「〇〇(姉の長男のこと)が老後の面倒を見てくれるって言われたのよ!」と興奮気味に教えてくれたのですが、私はあまり占いを信じるほうではなく、さして興味もありません。ふーん、そうなんだー、と相槌を打ちつつ、いやまあ長男なんだし、順当に考えれば当たり前といえば当たり前な話だよなあ、と思っていました。私自身が「子どもに面倒を見てもらう」という考えが希薄なので、そんなに嬉しいものなんだ、という感想でした。他にもああ言われたこう言われたと言っていましたが、右から左へ聞き流していました。
そんな姉が還暦を目前にして「離婚することにしたの」と言い出したときはさすがに驚きました。特に大きな問題が勃発したわけではなく、何十年も家庭内別居のような状態だったのを思い切って解消することにした、と言うのです。それは夫婦の問題だし、口を挟むこともないかと思ったのですが、「懇意にしている占い師さんにも今がそのときだって言われたし」と聞いて、開いた口がふさがりませんでした。えっ、離婚の後押しも占いに頼るんだと唖然としたのです。しかも、これからどこで暮らすか、甥や姪はどうするかも占い師さんに聞いている途中だと言うのです。あらかじめここに住もうと決めていた場所を言うと、占い師に猛反対されたから別のところを探さないと、とも。そして甥も姪もそれぞれ一人暮らしを始めているのに、その家も実は良くない方角にあるからできれば引っ越しさせたいとのこと。私は驚いてすでに独立している甥や姪の動向まで指示する必要はないんじゃないの?と言いました。これから家を探すならまだしも、もう住んでいるのですから。
何かに悩んでいるとき、心が弱っているときに占いに頼りたくなる気持ちはわからないでもありません。幾つになっても離婚をするということは大きなストレスだと思います。けれど、私の言うことには耳を貸さず、二言目には「占い師が、占い師が」と言う姉に、本当に大丈夫か?と心配になりました。姪に「あなたのママはこんなことを言っていたけれど、そんなに占いに傾倒して大丈夫なの?」と相談すると、「実は自分も心配していたけど、占い師の言うことしか聞かないから、今は好きにさせようと思っている。自分たちは引っ越す気もないし、自分のことは自分で決めるから大丈夫」という話でした。
それから数カ月経ち、姉は吉と言われた方角の家で一人暮らしています。甥も姪も変わりなく元気なようです。今も姉が占いのことばかりを考えているかどうかは知りませんが、姉の心が平穏であればいいな、とだけ案じています。
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