えっ!? 大好きな「買い物」をしなくなった認知症の母。その凄すぎる理由は...!?/石塚ワカメ

買い物をすること。
これは認知症予防にも、認知症になってからも、脳の刺激になって良いと聞きます。

かくいう実母も買い物が大好きで、近距離介護を始めた当初は、ひとりで商店街に買いに行くこともありました。

前回の記事:1人でアパートにいるときはどうしたら...?近距離介護のジレンマ

しかし症状が進むにつれて次第にお金の管理ができなくなったり、外出が徘徊につながるようになったので、なるべくひとりで外出をしないでも済むように事前に買い置きをしたり、一緒に買い物に行くようにしていました。

認知症と言っても症状の出方はそれぞれかと思いますが、実母は認知症になってから、主婦ならば欠かせない「コストパフォーマンス」がわからなくなってしまったようでした。

これは例えばティッシュを買うとき...
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そんな実母でしたが、我が家のすぐ近くにあるコンビニで、孫にお菓子を買うことを日課にしていました。

"大好きな孫のために買い物をする"、"それを喜んでもらえる"、というのは、実母の生活の張りになっていたと思います。

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しかし、実母が我が家に来るのは夕飯時。

ひとたびお菓子を目にすると、夕飯時だろうが何時だろうが我慢できず、食べるまで激しい癇癪を起こす息子。

結果、夕飯前にお菓子を食べてお腹がいっぱいになってご飯を残すという悪循環...。

これがたまにであれば、「実母のリハビリにもなるし、どうせまともに食べないんだから夕飯なんて適当でいいや!」と思えるのですが、毎日となるとさすがに許容の範疇を超えてきます。

どうしたものかと思い悩んでいると、ある日を境にぱったりと買い物をしてこなくなりました。

聞くと「最近店員さんが取り合ってくれなくて、買い物がうまくできないの」と実母。

ついに行きつけのコンビニでもNG客になったか...と思いつつ実母の上着のポケットをあさってみると、くしゃくしゃになった外貨が出てきました。

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徘徊中に財布を無くして新しい財布に変えたのですが、どうやら新しい財布をソレと認識できず、押入れの奥から皆既日食ハンター時代の外貨を見つけ出して使ってみたようです。

きょうび電子マネーなど支払い方法が多様化してきているコンビニでも、さすがに外貨では買い物できないよね!

と、ひとりツッコミを入れたワカメなのでした。

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石塚ワカメ


70年代生まれのイラストレーター。二児を育てつつ、近距離に住む実母の介護も行う、仕事・育児・介護のトリプルハードワーカー。ブログ「ワカメ絵日記」を運営。著書に「妊娠さらし絵日記(飛鳥新社)」「毎日が育ジーザス!!(主婦の友社)」がある。

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