アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。 結婚35年目。現在は夫婦二人と4ニャンとで暮らしています。30年以上前の、結婚当初のことを思い出しながら書いています。
前回の記事:「親と縁を切ります...」家事調停でそう宣言した夫/かづ
家庭裁判所で親子の縁を切るとの話しになってから、親子3人での生活が平穏だったかと言うとそうではない。
なぜなら、親子の縁を切ったと言う事は、すなわち夫の懐に姑からの小遣いが入って来なくなった訳で、今度は夫からお金や生活に関して締め付けが始まった。
夫の主張はこうだ。
「家に居るもんに金が要る訳が無い。
化粧なんかせんで(しなくて)いいと前から言うてるし
どこにも行かんのやから服も(新しくは)要らん。
下着も靴も破れてる訳やないんやから買う必要が無い。
でも自分は外で働く営業やから
自分は歳相応の服や靴が要る。
それが買えんと言うならもう仕事は出来んから辞める。
生活が出来んと言うならかづが働きに行けばええ。」
第一回目の家庭裁判所で話した内容は、あくまでも二人で協力して生活をすると言うものだったが、夫の言う「協力」の解釈がここでわかる。
自分は外で働くので服や靴が必要で、それを全て叶えて貰う事によって仕事が成り立つ。すなわち嫁はひたすら自分が外で働けるように尽くし続けるべきと言う解釈だった。
そうこうしている時に、姑の兄嫁、夫からすると伯母が亡くなったという知らせが来た。
小さい子がいるからお前は来なくていいと夫は言い、それと同時に姑からも電話があり、「あんたは来なくていいから」と言われたのでむしろホッとした。
なぜホッとしたかと言うと、私達の結婚式に夫側は舅姑どころか一人も親戚は出席していなかったから。夫が結婚して子供もいると言う事を知っているのは、今回亡くなった(私からしたら)義伯母の夫である魏伯父だけだったので、行ったところで知らない人ばかりだと思っていたのだ。
夫が仕事を切り上げて通夜に行く為に帰って来た。
喪服に着替えてから、舅姑を迎えに行って義伯父宅まで行った。
もうじき帰ってくる頃だと思った時に、義伯父から電話が来た。
「今日の通夜にあんたが来てへんかったから、なんでそないおかしな事するんやとY(夫)に怒った所や!
明日の葬式には子供さん連れておいで!かまへんからおいで!わかったな!」
口調は荒々しいが、とても優しさのある話し方だった。
夫が帰宅し、義伯父から電話があった事を伝えると、夫は姑に電話をして知らせた。
電話を夫から私に変わる様に言われ、私が電話に出ると姑がこう言った。
「明日の葬式は兄ちゃんちでする。
エプロンや普段着も持って来といて!ガチャン!」
翌日、言われたとおりにエプロンや普段着を紙袋に入れて義伯父宅に行くと、先に着いていた姑が玄関で仁王立ちになり待ち構えていた。
「上(2階)で着替えて来て!」
子供は夫が連れて入り、私は言われたとおりに2階で喪服から普段着に着替え、エプロンをして下に降りた。
階段下で待っていた姑に台所に連れて行かれ、突き飛ばされるように台所に押し入らされる。
「この子手伝いやから!」
姑はそう言って、葬儀が行われる広間の方に向かった。
台所には喪服の女ばかりが5〜6人ほどいただろうか。
「ほな、これお湯呑み洗って貰おうかな?
後、これ急須で、お茶っ葉はここね?」
言われたとおりに茶箪笥から湯呑みを数十客分出し、流しで洗って水を切り、布巾で拭いてお茶の用意をする。
広間の方で何やらざわざわしていた。
夫の隣で子供を抱いて姑が座っているのを、皆が驚いているようだった。
「ちょっと!Rちゃん(姑)子供抱いとるで!」
「あれどこの子??」
「Y君の子ぉちゃうの??」
「ええー!いつ結婚したんよ?」
「知らんでぇぇぇぇ!」
喪服の女達が台所の暖簾越しに広間を覗きながら、口々にそう言っている。
時期に葬儀が始まり、喪服の女達も広間に入り、それぞれがそれぞれの席に並んで座ったようだが、私はそのまま台所で湯呑みを洗ったりお茶っ葉を新しい物に変えたりを続けていた。
義伯父はその土地では有名な学校の校長までしていたらしく、参列者は親戚だけでなく相当な人数だった。
庭には池もあり、鯉が数匹泳いでいるような大きな家で、ここが姑の生家だった。
葬儀開始から4〜50分過ぎた頃に姑が台所に入って来て、私に着替えて降りて来る様に言った。
喪服に着替えて下の広間に入り、夫の隣に座った途端、大広間のあちこちからざわざわと声が聞こえてきた。
「えっ!あれY君のお嫁さん!?」
「いやっ!あの子葬儀屋のバイトやと思ってたわ!」
「ちょっと!あの子Y君のお嫁さんやったんやわ!」
焼香の順番が回って来て、夫に続いて焼香を済ませて席に戻ると、姑が後ろ手で「シッ!シッ!」と追い払う様にしたので、もう用は無いから着替えて台所にいろと言う事なんだと思った。
私が着替えて台所で再び湯呑みの洗い物をしていると、焼香が終わった喪服の女達が次々と台所に入って来た。
「いや〜!あんたY君のお嫁さんやったんやなー!」
「そんならRちゃん紹介してくれたらええのに--!」
「Y君が子供抱いて入って来たから、あら〜?とは思ってたんやけどな〜?」
「私てっきり葬儀屋のバイトの子ぉやと思ったわ〜!」
「いや私もそう思ったで〜!だってなんも言わんと洗い物してたから〜」
聞く所によると、葬儀の後は男連中だけで焼き場に行き、一旦帰宅してお膳を食べ、骨上げにまた男連中だけ行くらしい。
女達はみんなで台所と仕出し屋からの料理を運ぶ準備をするんだと聞いたが、その直後姑が台所の暖簾をあげて首だけにゅっと差し入れこう言った。
「こんな狭い台所に女がようけおってもしょうがないから、私はみんなと行って来るから!」
そう言って姑は子供を抱き、舅と夫と共に男連中の中に一人だけ女で焼き場に出て行った。
それを見届けるや否や、台所では姑の悪口大会が始まった。
「私、この家に嫁に来た時に、○○のおばさんってどの人?って聞いたら
口の多い言いたい放題のババおるやろ!って旦那に言われて。すーぐにわかったもん!」
「Y君が結婚する時はお嫁さんそりゃ大変やでー!ってみんな言うてたもんな!」
「そりゃあの人やったら誰も続かんでって!」
「今日だってあの人だけやん?女の中で一人だけ付いて行って!」
「いっつもそーやん!私らやなく男連中の中で飲んで食べてしてる人やん!」
もう一切聞こえていない様な表情で黙々と山積みの湯呑みを洗う...。
すると後ろから
「な〜あ?お母さん大変ちゃう?
私らY君にお嫁さんが来たら大変やで〜っていっつも言うてたんやで〜」
「そりゃあ大変やろ〜?」
と口々に聞いて来る。
けれどもだ、いくらみんなして姑の悪口を言っているからと言って、ここで気を許して「そうですね〜」なんて言おうものなら、いつ誰が裏で姑に告げ口するか分からない。
「はぁ...、いえ...、はぁ...」
喪服の女達に目も向けずに、黙々と洗い物に集中した。
男連中が帰って来るのでと、急いで広間に膳を並べ、仕出し屋から届いた椀物の用意をしているとどやどやと男連中が戻ってきた。
骨上げの時間が決まっているからと、そこで帰る者もいれば骨上げに行く者もいて、帰る者の中には2階で着替えてから帰る者もいた。
姑は骨上げには行かないから着替えると言い、私に2階に一緒に上がる様に言った。
2階の着替え部屋になっている部屋では、喪服の女たちがそれぞれ着物を脱いで畳んでいた。
「あんた着物縫えるから、畳むのも出来るやろ?
そこ座って!脱いだもん畳んで!」
姑に言われたので、姑の真ん前に正座で座り、着物を畳んで入れる風呂敷を広げた。
姑が次々と帯やらなんやらを脱いでは私の前にバサッと脱ぎ落すので、それを手早く畳みながら風呂敷に積み重ねて行った。
と、その時
フワッと生暖かい物が私の頭から首筋、肩へとかぶさった。
手に取ると、姑が今脱いだばかりのガードルだった。
脱ぎたてを私の頭の上にかぶせたのだ。
「あー、すっきりした♪
ガードル脱いだらスーッとしたわ〜。」
見上げたら姑がにっこりと笑っていて、周りの女たちは引きつった顔でこちらを見ていた。
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