アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。
結婚36年目。現在は夫婦二人と4ニャンとで暮らしています。30年以上前の、結婚当初のことを思い出しながら書いています。
前回の記事:「あの子5分もおったな図々しい」家に遊びに来た友人を追い返した姑/かづ
姑の孫の可愛がり方は、愛情を持ってと言うよりもオモチャが出来たかの様だった。
それこそ自分の気分で面倒を見ると言い、泣けばこっちに押し付ける。
ある週末にいつもの様に義実家に行っていた際、姑が息子を風呂に入れると言い出す。
私は食事の用意の真っ只中でそれどころではなく、あれよあれよと言う間に姑が子供を風呂場に連れて行ってしまった。
台所で火を使っていたので離れられず、何かあれば呼んで下さいと言って料理を続けていた。
30分ほどして息子を抱いて裸のまま出て来た姑が、満面の笑みでこう言った。
「この子おなか空いとるで!私のおっぱい一生懸命吸ってるもん♪」
絶句と共に、ショックで目の前が真っ暗になった。
元から吸わせる気で風呂に入ったくせに。
それから数日後、姑からの電話で駅前に呼び出される。
ついて来いと言われ後をついて行くと、そこは産婦人科の病院だった。
てっきり誰か姑の知り合いの見舞いかと思いロビーの椅子に座っていると、私の名前が呼ばれた。
えっ??えっ???
呼ばれたので受付に行くと
「今日は母乳を止めるための処置をご希望と言う事ですね」
と言われ、横に居た姑の顔を見ると
「保険証出して!持ってるやろ?」
と淡々と言う。
思考が一瞬止まるとはこの事で、今自分が置かれている状況を把握するには想像を超えていた。
当時はまだ息子が10カ月にもならない頃で、まだまだ母乳を飲ませていたからだ。
受付の人が不思議そうに私の顔を見ている。
あまりにもの事で驚き、言葉がすぐに出て来ない。
すると姑がこう続けた。
「おっぱい止める注射を打ってもらい!
いつまでも母乳をやってたら預かれんし
どっこにもつれて行けん!
いまどきはさっさとミルクに換えるもんや!」
姑は私抜きで子供を連れ回したかったらしい。
けれども母乳育児では2〜3時間ごとに授乳が必要になる。
どこに行くのにも余計な者(嫁)まで連れて行かなければならないと思った姑は、病院で母乳を止める注射をしてくれるとどこかから聞き、私を連れて来たのだ。
とりあえず病院まで連れてくればなんとかなると思っていたのか、はたまた自分(姑)の言う事には(嫁は)逆らわないと思っていたのか。
たっぷりと出る母乳をワザワザ止める訳もなく、今から35年ほど前にはそんなにミルクの種類も無く安くも無く、貧乏所帯ではミルクにするなんてとんでもなかった。
当時は紙おむつも出始めで2〜3種類くらいしか無く、当然値段も高価で私は布おむつを使っていた。
とにかく日頃から少しでも節約して生活していたので、母乳がタップリと出る事はとても助かっていた。
病院の受付で、姑は
「注射を打って貰え!
いつまでも子供から離れられんやろ!」
と言い
当然私は
「いえ!止めるつもりないですから!」
とで言い争いになる。
受付の人も呆れた様な驚いた表情だし、待合いにも数名いて迷惑になる。
もちろん私も注射を打って貰う気は無いのでこのままでは埒が明かないと、その場から走って逃げた。
後ろを振り向く事無く休む事無く、そのまま家まで帰った。
家に着くと姑から電話があった。
今の様にナンバーディスプレーなんてどこにでもある時代では無かったので、誰からか分からないから電話が鳴ると出なければならない。
案の定姑は電話口で怒鳴っていた。
「せっかくこっちが段取りして予約してたのに!
恥かかされて!
いつまでお乳やってるんや!
ミルクにしたらどこにでも預けられるやろ!
あんた働きたないからミルクにせぇへんのやろ!
今どきはな!さっさとミルクにしてご飯も食べさせて
少しでも早ように親から自立させるんや!
そんな事も知らんのか!」
そんな事も知らんのかって...、聞いた事も無い!
恐らく私が子供に授乳する事で、孫をこの憎き嫁の所有物にされているのが我慢ならなかったのだと思う。
母親が子供に授乳する事に対して、所有物だのなんのと思う事もおかしい話しだが、事ある毎に姑は嫁より自分がいかに優れているのかを主張したがった。
それは母親としてだけではなく、「女」としても自分が優れているとアピールしたがった。
自分は有名ブランドの高級下着を身に付けているだの、毎日お肌のお手入れを欠かさないだの、化粧品は高級品を使っていて毎月数万円だのと私に語り、最後に決まってこう言う。
「あんたは年若いのに、自分に全く構わへん子で息子が可哀想や!」
それだけ嫁に金を掛けられるほどの稼ぎが、自分の息子にあるとでも思っているのか。
姑は日々、どうやって嫁をいびろうかを絶えず考えていたんだろう。
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