<この体験記を書いた人>
ペンネーム:おこめ
性別:女
年齢:45
プロフィール:夫、子供二人がいる派遣社員。コロナで勤務日数が減り、扶養に戻りました。
私は10年前コンビニで働いていました。
勤務時間は朝9時からで、私・パートさん・店長(男性)のシフトで、朝9時半からもう1人のパートさんとトイレを交代で掃除するのが日課でした。
その時間、毎日のように車で来店される30代後半くらいの男性(Aさん、とします)のお客さんがいました。
掃除をしていると「使ってもいいですか?」と覗くAさんに「トイレは掃除してありますので使ってください」と言うのも日課。
もちろん、Aさん以外にもそういう方がいらっしゃるので、この日課を特に気にしてはいませんでした。
でも...働いて半年ほどたった時のことです。
その日もトイレ掃除中の私に「使ってもいいですか?」と声をかけてきたAさん。
掃除済みのトイレを案内しました。
そしてトイレ掃除を終え、振り返ると洗面所の鏡越しで目が合ったのです。
手を洗っているんだけれど、鏡越しに私を見ています。
...変な雰囲気。
立ち去りたいのですが、洗面スペースは狭いため、Aさんが手を洗っている間は出られません。
目が合いながらも、Aさんが洗い終わるのを待ちました。
そしてまた1カ月くらいたった頃。
掃除をしていたら「すみません」と後ろから聞こえ振り返るとトイレの前にAさんがいました。
そして、もじもじしつつも満面の笑みでメモ書きを手渡されました。
なんだろう? と見てみると、LINEのIDと「連絡してね」というメッセージが書かれています。
そんな目で見てたのか⁉ 手荒れをしていて結婚指輪をしてなかったので勘違いされたのか? これはまずいと店長とパートさんに相談しました。
「よく君のことじろじろ見てたよ! 君がトイレ掃除の時にしかトイレ使わないしね」
「絶対にあなたのレジに並ぶしね」
店長に続けてパートさんもそう言いました。
気づかなかったのは私だけだったようです。
次の日レジをしていた時にAさんが来店。
私のレジに並び、私は何もなかったように接客しました。
するとAさんが話しかけてきます。
「LINE待ってたんだけど」
「すみません、結婚してるので」
「結婚してたってLINEはできるでしょ?」
「すみません。お次のお客様どうぞ!」
無理やり話をやめレジを続けました。
Aさんが離れたのでよかった~と思ったら、出入り口でこっちを見ていました。
いつもと違うちょっと怖い目。
店長とパートさんに相談して、トイレ掃除当番はしばらくなしになりました。
そして次の日、また例のAさんが来てレジの私を見て「あれ?」って顔。
「今日もトイレ掃除じゃないんだね」
「電話番号教えてくれる?」
ムカムカしましたが、無視するわけにもいきません。
「結婚してるのですみません」
「旦那に怒られるの?」
そう言ってニヤニヤ笑うAさん。
その後も毎日のように来ては話しかけられました。
Aさんの車が見えて私が隠れると、店長に「〇〇さん、休憩中?」と聞いてくることも。
それから2週間くらいたち、トイレ掃除をしないのも悪いので、私が当番の日は午後に掃除をすることにしました。
その日は午前中にAさんが来ていたので、何も気にせず掃除をしていたら「〇〇さん」と呼ばれ思わずビクッ。
振り返るとAさんが立っていました。
笑顔で私がいるトイレに入ってきたAさんに思わず「やめて!!!!!」と声を上げる私。
ドアが閉まる瞬間、店長がドアに手を挟んで、Aさんを引っ張り出してくれました。
後から聞くと、店長はAさんが来店したので、急いでトイレに向かってくれていたそうです。
そしてたまたま居合わせた格闘技をやっている常連さんが一緒に助けてくれて、警察を呼びました。
ここからは後から聞いた話。
Aさんは奥さんの浮気が原因で離婚したばかりで寂しかったそうです。
そんな時、いつも笑顔で迎える私とどうにかなれたらいいなと思い、ストーカーまがいなことを始めたそうです。
その後、私はそのコンビニは辞めました。
あのAさんのニヤニヤ笑いは本当に怖かったです。
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