工場の夜勤のパートで、60歳の同僚女性が突然倒れて...「明日は我が身」と感じた恐怖体験

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:向日葵
性別:女
年齢:52
プロフィール:脳梗塞の夫と二人の子供と暮らす、働くお母さんです。

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私は52歳。

9年ほど前から食品加工工場でフルタイムのパートとして働いています。

職場の従業員は、同年代から定年間際まで、50代の女性がほとんど。

夜勤にもかかわらず、皆元気なおばちゃんたちです。

この日も、いつものようにライン作業が始まりました。

作業はコンベアの前に横一列に立って行います。

仕事中は作業に支障がなければ、多少のおしゃべりは黙認されていて、皆それぞれ昼間あった出来事やニュースの話題などを話しながら、和気あいあいと作業をしていました。

ところが、仕事開始から2時間ほど経った時です。

私の隣りでおしゃべりをしながら作業をしていた女性Aさん(60歳)が、突然黙り込みました。

私は普段から聞き役なので、「あれ?」と思い、作業をしたままちらりと視線を向けた、次の瞬間!

Aさんがフラリと前のめりに倒れ込みそうになるのが見え、思わず「あっ!」と大きな声がでました。

声を上げると同時に反射的に両手でAさんを抱え、「だ、大丈夫!?」と問いかけると、真っ青な顔で「気持ち悪い......」とうわ言のように言うAさん。

そしてそのまま意識が遠くなったのか、抱えていた体がズシリと重くなりました。

「え、ちょっ、Aさん!?」

私よりもだいぶ小柄なAさんですが、それでも私の力では支えきれず、2人でその場に座り込むかたちに。

「ちょっと、ライン止めて!」

「社員さん呼んで!」

同僚の女性の緊迫した声を聞きながら、私は必死にAさんの背中をさすりながら「大丈夫!? どこか痛いの!?」と声をかけました。

Aさんはかすれた声で「気持ち悪い」「頭が痛い」と言って苦しそうで、動くのもままならない様子でしたが、「休憩室で休めば大丈夫」と主張します。

そうこうしているうちに、慌てて30代の男性社員が到着。

「持病はあるの?」という社員の質問に「血圧の薬を飲んでます」と答えたところでAさんは完全に意識を失ってしまいました。
慌てた社員は、すぐに事務所へ救急車を呼びにとんぼ返り。
15分ほどして、救急車が到着し、ほとんど意識がなくなったAさんは、社員に付き添われて病院に搬送されて行きました。
現場は、もう騒然としています。
私も、つい先刻まで楽し気におしゃべりしながらいつものように作業をしていたAさんが救急車で搬送されたという事実に、動揺が隠しきれませんでした。
「気持ち悪い、頭が痛いって言ってたから、もしかしたら、脳出血?」
「脳梗塞とかクモ膜下とかもあるよ......」
「心配だねぇ......」
すぐに作業は再開されましたが、話題はもちろん、Aさんの事。
私も夫が9年ほど前に目の前で脳梗塞を発症し、救急車を呼んだ経験があり、その時の記憶がよみがえり、かなり怖かったです。
「どうか、大事にいたりませんように」
そう、心から祈りました。
幸いなことにAさんは大事には至らず、3日ほどで元気に職場復帰!
心底、ホッとした私です。
この年になると、あまり物事に動じなくなりましたが、さすがにこれはかなり怖い体験でした。
実は私も血圧が高くて2年前から血圧の薬を飲んでいるので、他人事ではありません。
いつ、私もAさんのように倒れるか分からないのです。
いっそう健康に気を付けなくては、改めてそう思わされる出来事でした。

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