<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ねこのきもちがわからない
性別:女
年齢:52
プロィール:60過ぎの義理の兄が配偶者について愚痴る相手、それは90歳を超えた義理の母。それってどうなの?と、夫と二人で成敗しました。
「お義母さん、妻の作る食事がひどいのです。何とか言ってやってもらえませんか?」
「お義母さん、妻と娘が出かけると私のことはほったらかし。それってどう思います?」
これ、愚痴っているのは60代の義理の兄。愚痴を聞かされているのは90代の義理の母、私の夫のおかあさんです。そして義理の兄が「妻」といっているのは、義母にとっては実の娘のことなのです。
つまりこの人、妻の母親を捕まえて、妻の愚痴を言い、それを何とかして欲しいと言っているのです。
夫婦生活は何かと大変ですので、義理の兄の気持ちはわからなくもないのです。しかし若い夫婦じゃあるまいし。すでに30有余年一緒に暮らしているのだから自分たちで何とかしろ!と言いたくなります。それに義理の母はすでに90代。思考はしっかりしているのですが、体は不自由な部分がいくつもあり、自分の生活もままならない状態で介護施設に入所しています。そんな義母に問題解決を迫られてもできるわけありません。
とはいえ義母にとっては大切な娘の夫。ぞんざいには扱えません。そんなわけで、毎回その愚痴に付き合っては謝りつつも、情けないやら、悲しいやらで義理の母は心を痛めているのだそうです。
事の顛末を聞けば聞くほど義理の兄にムカつきます。ガツンと言ってやりたいのは山々なのですが、ぐっとガマンしてきた義母の気持ちを思うとそれもできません。
ということで、私たち夫婦で解決できないものかと、まずは義兄の話を聞くことにしました。すると、義兄が自分の都合だけで話していることが分かったのです。
例えば「ご飯がひどい問題」。これ、実際には「料理が苦手な義理の姉が自分なりに頑張ってあれこれ作ってみても、義理の兄は文句しか言わない。だから文句言われない料理に絞り込んで作った結果同じメニューに偏ってしまった」ということがわかりました。これはチャレンジとその失敗を許さない兄の姿勢に大いに問題があります。ということで、これを男性に例えて夫が説明してみました。
夫:お義兄さん、僕たち毎日頑張って働いてるよね。それでも高収入の人にはどうしたってかないません。それを毎日毎日妻に責められたらどう思います。
義兄:ありえないよ~、そんなの~。絶対に許さん!
夫:ですよね~。それぞれ特性があって、努力してもできないことありますもんね~。
義兄:うんうん。
夫:でも義兄さん、それと同じことやってるよね、アネキに。
義兄:???
夫:料理が苦手なアネキ捕まえて、「もっと美味しいもの作れ~」とか、「まずいものは作るな!」って、同じことですよ~。
義兄:それとこれは違うと......。
夫:何がどう違うの? 俺にわかるように説明してくれる?
義兄:......。
もごもごしながら何も言えなくなった義兄さんにさらに質問です。
夫:帰宅が遅いのは別の問題だよね、義兄さん。
義兄:そうそう、困っているんだ。
夫:アネキたち何時に帰るの?
義兄:夕方の5時とか6時。
夫:全然遅くないじゃん。
義兄:でもご飯の時間が遅れるのは嫌だし、お風呂の時間とか......。
夫:それ、義兄さんが自分でできそうだけど?
義兄:これまでやってないからな~。
夫:じゃあ、これを機会にやってみたら? お風呂は蛇口ひねればお湯が出る。ご飯はコンビニでもどこでも買えるじゃん。それくらいできたほうがいいよ~。今後のためにもね。
義兄:......わかった。
夫:これからは俺らが義兄さんの話を聞きます。お袋のところでは楽しい話だけにしませんか? 頼みますね!
そう言ってこの日は別れました。一足飛びに状況が変わるとは思えませんので、これからもコツコツと時間をかけて話し合いたいと思います。
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