<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぴっぴ
性別:女
年齢:42
プロフィール:小学生の子供が二人いるパート主婦です。
世間で話題になっている「8050問題」。
80代の親が50代のひきこもりの子供の生活を支える、という社会的な問題です。
我が家とは無縁と思っていたのですが、なんと身内から出てしまうとは...。
15年以上前に亡くなった母には兄(現在75歳)がいます。
その家には一人息子(45歳)がいて、私にとっては3歳年上の従兄弟です。
実家から電車で1時間ほどの距離に住んでいた伯父宅には、小学校の低学年頃まで時々遊びにいっては、従兄弟とも仲良く遊んだ記憶があります。
その以降私はほとんど交流がなかったのですが、うわさによると従兄弟は高校に馴染めず引きこもり、45歳になるいままで一切の職歴がないそうです。
ただ、小さい頃から優しい人で、なんと私の母のお葬式には来てくれて驚きました。
長年引きこもっているのに、外に出るのは大変だったと思います。
ただお世話になった母(彼からみたら叔母)との最後の別れだからとがんばってくれたのでしょう。
来てくれてありがとうと話しかけてみると、目は合わせてくれませんでしたが、「そんな...。大変でしょ? なにか手伝うことある?」と気遣ってくれ、心が温かくなりました。
そんな様子を見ていたので、彼もいつか外に出る時がくるのだろうと私は思っていました。
その後、母がいないため母方の親戚との付き合いが疎遠になり、彼の状況を知ることもなくなりました。
彼がまだ引きこもり続けていると知ったのは、先日伯父からかかってきた1本の電話でした。
挨拶もそこそこに「久しぶりにうちに遊びにこない」と言われ驚きました。
何故だろうと話を聞いていると、従兄弟のことを気にかけてほしいようなのです。
「〇〇(従兄弟)はぴっぴちゃんは優しいって言ってるよ」
「昔はよく遊んだよね」
などなど従兄弟と絡めた話を続ける伯父。
「うちは一人っ子だから俺たちがいなくなったらどうなるか...。ぴっぴちゃん、気が向いたときでいいから顔を見に来てくれない?」
これを言うために電話をしてきたようです。
高齢になった伯父夫婦は、そんな息子のことが心配なのでしょう。
自分たちがいなくなった後息子を頼める人がいないかと考え、思いついたのがなんと私だったようなのです...。
従兄弟はいい人だと思うのです。
ですが、自立できない従兄弟を私が面倒をみる...というのは心理的にも、経済的に難しく思います。
うちには子供が2人いて、これからかかる教育費のことを考えると頭が痛くなる状態です。
もしも私が先に死んだら、うちの子供達に様子をみてくれ...となるのでしょうか?
なんとか私に頼るという方法を諦めてもらって、今から自立への努力をしてほしいです。
引きこもりの相談窓口など、公的支援をうけられる情報を伯父に伝えてみようと思っています。
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