<この体験記を書いた人>
ペンネーム:もみじ
性別:女
年齢:54
プロフィール:結婚25年の夫とは家庭内別居中。大学1年の娘と大学院1年の息子がいます。
現在大学1年の娘は自宅から通学しています。
大学ではダンスのサークルに入り、練習に明け暮れています。
サークルでは、公演や大会に向けての合宿や深夜練といって一晩中練習をすることが頻繁にあります。
そのため、始めの頃こそ娘が家に帰ってこないことを心配していましたが、段々とその心配は薄れていきました。
娘は大学に入学した頃から、7歳年上の社会人の彼と付き合い始めたようです。
始めのうちは隠していたようですが、何カ月か経った夏ごろに、何となくオープンになったという感じです。
相手が社会人ということで、どうしても会う時間が遅くなってしまうようで、夜12時を過ぎて帰ってくるようになった娘。
これではいけないと思い、門限を夜の12時と定めました。
そんなある秋の日、娘が週末に2泊で旅行に行くと言いました。
何の疑いもなく「サークル?」と聞いたら「うん」。
ですがそう言った娘の歯切れが悪かったので、まさかと思い「彼となの?」と問い返すと無言の娘。
子どもの頃から正義感強く育った娘は、やはり嘘をつけなかったようで、否定しないということはいわゆる彼との旅行を認めたということなのでした。
私の中の常識では、未成年の娘の彼との外泊はNGです。
でも嘘をつかずに正直に打ちあけた娘にそれを否定すれば、たとえ正義感の強い娘とはいえ、次からはきっと嘘をついて出掛けていくだろうと思えました。
またここで娘と言い争いになり強硬に反対すれば、彼氏のところという逃げ場があるだけに、娘の性格からすると家を飛び出しかねないと思いました。
そこでそのときは渋々その外泊を認めた私。
でも娘に対しては認めながらも、やはり完全には認められない自分もいて、その葛藤で娘が旅行に行っている間はもうため息が止まりませんでした。
ところが親の心子知らずで、娘はこれでもう親の了解を得たとばかりに何度か外泊を繰り返しすようになりました。
年末年始、毎年わが家は家族で私の実家に行くのですが、娘は新年2日からしか行くことができないと言います。
聞けば大晦日はサークルの人たちと年明けして、そしてごにょごにょと言葉を濁し(察してという雰囲気で)行けるのは2日だと。
そうそう1日は彼と過ごすのね、どこに行くの?と聞いても中部地方とだけ。
中部地方ってどこよ? 先日日帰りでスケボー行ったって言ってたし長野でまたスケボーとか?と聞くと、まあそんなもんじゃない、と娘。
どこまで根掘り葉掘り聞いてもいいものか、そんなことを考えて追及の手を緩めてしまいます。
一人暮らしをしている子供だったらもっとわかっていない親もいるはず、なんて自分を納得させながら、ここまでくるともう今更理由もなく、反対もできません。
でもやはり外泊に対して完全には賛成できない気持ちから、一日中ため息が止まらないのです。
そして1月2日夕方、娘が実家にやってきました。
ちゃんと聞けない私に代わって祖母である母が、どこに行ってきたの?と聞くと、京都と岐阜、昨日は岐阜に泊まったと言って八つ橋をお土産に持ってきました。
ちょっと待って、1泊で京都と岐阜は回れないでしょう、そう思ったのですが主人も息子もいる中それは言えませんでした。
ここで娘に対して疑惑がわいてしまいました。
正直に話してくれていると思うから渋々認めていたんだよ、それなのにやっぱり嘘をついていたときもあったの?と。
でも自分だって親に嘘をついたときもあったし、親も気付いていたのかもしれない。
嘘とわかっても責め立てずに見守るべきなのかな。
頭の中は複雑な思いがゴチャゴチャになって、そしてどうすることが正解なのかもわからないまま、今日もため息をつく私です。
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