性別:女
年齢:50
プロフィール:12歳から23歳の3人の子ども&脳梗塞の夫と暮らす、50歳のワーキングマザーです。
※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。
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わが家の長女は現在24歳のOLです。今から7年前、娘が高校3年生の時に父親(私の夫)が48歳という若さで脳梗塞に倒れたため、大学進学をあきらめて就職しました。現在も家計を助けてくれたり食事の用意を手伝ってくれたりと、何かと私を助けてくれている、親孝行な自慢の娘です。高校生だった娘も、もう24歳。そういえば、娘から彼氏の話を聞いたことがないことにふと気づきました。
平日は18:00に帰宅し、休日も家で過ごすことが多い娘です。たまに、といっても年に2、3回と数える程度ですが、高校時代の友人たちとコンサートに行ったり、ミュージカルを見に行ったりするほかは、ほぼ家と会社の往復のみという生活パターン。彼氏とデートをしている様子は全くありません。
「実は彼はいるけど、単に恥ずかしくて言わないだけなのかな?」。そんなかすかな期待を胸に、ある日一緒に夕飯を作っているときに、それとなく彼氏がいないのか聞いてみることに。すると娘からは「彼氏はいないよ」との答えが明るく返ってきました。娘の口ぶりからは、彼がいなくても気にする様子は感じられません。「会社関係で、良さそうな人いないの?」と、さらに冗談めかして聞いてみれば、「ぜんぜんいないよ。別に彼氏が欲しいとか思わないし、結婚願望ないしね」と、苦笑交じりの答えが返ってきて、ぎょっとしました。
こればかりは縁があってのことだし、親があまり口出しすることでもないと思いましたが、親としては娘には、よい男性と巡り合って幸せな家庭を築いて貰いたいという気持ちがあります。その娘の口から「結婚願望がない」という言葉が出てきたことに、軽いショックを受けました。結婚願望がないということは、結婚に期待を持てない何かが娘の中にあるということです。そして、次に娘の口からでてきた「だって、お母さん見てたら大変そうだし、彼ができても結婚はしないかな」という言葉に、私は大きな衝撃を受けました。
夫には、脳梗塞の後遺症の言語障害と右半身の感覚麻痺があります。もともとは穏やかな性格でしたが、脳梗塞後は感情の起伏が激しくなり、ささいなことですぐに怒るようになってしまいました。私も、最初はそんな夫の変化に付いていけずに、怒鳴られたりするのがつらいと感じて涙することもありました。でも現在では夫の状態も安定し、私も慣れてきたこともあって、たまに夫の怒りが爆発しても、感情的にならずに受け流せるようになっています。夫が倒れて8年目、私たち夫婦のありかたが、娘の結婚観に悪い影響を与えてしまったのだと、大きなショックを受けたのです。
娘には、「結婚は大変なこともあるけど、いいこともたくさんあるよ」と、笑って言いましたが、内心は、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。そして心から娘によいご縁がありますように、苦労をしても一緒に生きていきたい人ができますようにと、心から祈ることしかできない母でした。
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