<この体験記を書いた人>
ペンネーム:たあちゃん
性別:女
年齢:46
プロフィール:マンゴー農家の跡取り娘です。夫は養子ではなくマスオさん。平凡だけど不幸なこともなく平和な毎日を暮らしています。
うちはマンゴー農家です。
父の代は普通のマンゴー農家でしたが、私が農業研修で知り合った夫と結婚し、彼が父のハウスを継いでくれてからは、市場価格で1万円近くになるような高級マンゴーを出荷できるようになりました。
地元に帰ることなくハウスを継いでくれ、より良いマンゴーを作ってくれるようになった夫に、私の両親もとても感謝していて、仲もよく平和な毎日を過ごしています。
ただ、夫のお母さんにはちょっと言いたいことがあるのです。
ご近所さんとの日常会話などで「息子がね、マンゴー作ってるのよ。デパートで1個1万円くらいするのよ」、「まあ、すごい。そんなマンゴー食べてみたいわね」くらいの会話は当然あると思います。
ご近所さんも義母の自慢話に社交辞令で応じた......くらいのことなのでしょうが、それを真に受ける義母はマンゴーを送って来いというのです。
最初は宣伝にもなるし......くらいの軽い気持ちで、出荷できないけれど味は充分おいしい「訳あり品」を送ってみました。
ちょっと傷がついていたり、形がゆがんでいたりするものです。
すると「これは1万円の価値のあるものではない」と言われてしまいました。
夫に相談すると義母に電話をしてくれて、「10個必要だと言われたので10個送る。
でも、1個5000円で請求書も送る」と話をしてくれました。
1個ずつ箱詰めして、それをまた大きな箱に入れて空輸して......となるとたいした儲けにはならないのですが、義母から儲けるというのもなんかね、必要経費だけでいいんじゃないの?と私の母に言われて、そうかもしれないと無理やり納得して発送しました。
まあ、思った通りというか案の定というか、支払いはされることなく、かといって私たちも催促するわけにはいかず、うやむやになりました。
しかし、義母からの催促は次の年20個になり、またその翌年には30個になったのです。
しかも、支払いは当然ありません。
義母から1円も支払われていないと知った夫は、腹を立て「もう送らない!」と義母に電話をしました。
これに義母は「そっちから催促がなかったから。金額が書いてあった手紙はどこかに失くした」と言ったそう。
私も私の両親も夫の実家に催促はしづらく、夫にも隠していたわけではないのですが、なんとなく言いづらくてそのままになっていたのです。
いくら高級マンゴーを出荷できるようになったとは言っても、実は劇的に収入が増えたわけではありません。
時間も手間も、経費も余分にかかるし、何より以前より収穫できる数量が減っているので、収入としてはあまり変わらないのです。
それでも良いものが作れるようになったというのは、私たち家族を勇気づけ、また毎日の作業を楽しくしてくれるエネルギーになります。
でも、夫としては大事な収入源であるのに20個分も、言ってみれば捨てたのと同じ状態になっているというのは我慢がならなかったのでしょう。
夫が怒りの電話をかけた翌年、何事もなかったかのように義母から注文がありました。
数は減って20個になっていたものの、送り先のリストが郵便で届いて、御中元の熨斗をかけて発送してほしい、ということでした。
支払いもせず、悪びれた様子もなく、なんて図々しい人なんだろうと思いましたが、それを知った夫が「本当に申し訳ない、恥ずかしい」と私の父に頭を下げているのをみると、何も言えなくなってしまうのです。
■おすすめ体験記
「この家に車を置かせてくれ。そして...」車を買った義父からの「驚きの提案」
夫が負担していた超高額の光熱費を「折半」にした途端、節約しだした義両親
嫁をいじめるのを黙認するかわりに3万円!? 義母と夫の間で交わされていた密約
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。