<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ウジさん
性別:男
年齢:58
プロフィール:妻(56歳)と共働きの58歳男性です。コロナ騒ぎのあおりですっかり内食が増えました。
「今日は何にするかな?」
休日の夕食は夫婦で交代で担当する約束です。
「サクラエビがあったなあ...」
いつものように材料名とレシピのキーワードで検索すると「サクラエビの釜炊き飯」という有名料理店のレシピがヒットしました。
「ふうん、タケノコもかあ、確かもらったやつがまだあったよな...ちょっと手間はかかりそうだけど、これなら稼げるかな?」
コロナ騒ぎの前は夫婦そろって外食頼みで、昼は近くの店でランチ、夜もちょっと面倒になると食べに出る生活でした。
しかし外食できる場所もめっきり減って、昼は弁当持参、夜も作り置きの惣菜で済ます生活に一変しました。
しかし、料理を始めてみるとこれがなかなか面白く、食費も節約できて一石二鳥でした。
生来「どうせやるなら...」的なところがあるので、休日などはレシピサイトを参考に、ちょっと凝ったものを作ったりして楽しむようになりました。
「お、これうまそうだなあ...へえ、有名なイタ飯屋のレシピかあ」
フレッシュミニトマトとベーコンを使ったパスタはとても美味しそうで、パソコンを傍らに置いて作ってみました。
出来上がりはまずまずで、庭に気まぐれで育てていたバジルの葉を載せるといっぱしのレストラン風です。
「今夜はシェフが腕によりをかけまして...」
テーブルに並べると妻(56歳)も乗ってくれます。
「うわあ、おいしそうね。どっかのレストランみたい」
「まあね、レシピ通りだけどさ」
食べてみると、トマトの酸味がいい風味になっていて上々の出来です。
「これならお金出してもいいわね、おいしい!」
妻も気に入ったようです。
ちょっといたずら心が出てきました。
「ふうん...いくら出す?」
「う~ん...1000円!」
「ほんと? そんなにうまい?」
「おいしいよ、ちょっとした店なら1500円とか取られそう」
ここで思いつきました。
「なあ、だったら外で食べたつもりで貯めてみようか、いくらぐらい貯まるか興味あるよ」
「...うん、おもしろそう! やってみようか」
そう言って、海苔の空き缶を貯金箱にして、妻が1000円を入れました。
次の休日は、妻が腕を振るってハンバーグを作りました。
洋食屋のサイトにあったそうです。
「肉をよく冷やしておくことと氷のかけらを中に入れて蒸し焼きにするのがポイントなんだって」
「へえ...うん、うまい! やわらかいし肉汁たっぷり」
「じゃあ、いくら出す?」
「うーんそうだな...これなら1200円!」
また貯金箱の中身が増えました。
また中華料理屋のサイトからは、エビに片栗粉をつけて素揚げしてから作るエビチリを再現。
「エビぷりぷり! 1600円!」
カフェのサイトではふわふわのパンケーキの作り方が紹介されていたときは妻がノリノリでした。
「レンジで柔らかくしたお餅を入れるといいんだって! おもしろい」
そう言って妻が再現したものに、おやつにもかかわらず1500円の値をつけてしまいました。
どうせ貯金になると思って、ちょっと高めの値段になっていたとは思いますが、2カ月余り続けて貯金箱の中身もかなりずっしりしてきました。
先日作った「サクラエビの釜炊き飯」も妻には大好評で、1600円の高値が付きました。
「...ちょっと、数えてみようか」
妻が開けた貯金箱の中身をテーブルの上に広げて数え始めました。
「...うわあ、3万以上あるぞ」
「結構貯まったわね、さすがは一流シェフ」
元をただせば外食気分で身銭を切っての貯金ですので、特に儲かってるわけではないのですが、何となく得した気分です。
「規制も緩和されてきてるし、久々にフレンチにでも行こうか」
「ああ、いいわねそれ!」
思わぬ楽しみが増えて、妻と盛り上がりました。
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