【本作を第1回から読む】タピオカ屋はどこに行ったのか。3回目の「タピオカブーム」が前回までと異なっていた点
『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』 (菅原由一 /KADOKAWA)第8回【全9回】
街中にあふれていたタピオカ屋が、いつの間にか減っていた...みなさんは、その理由を説明できますか? 想像はできても、説明するとなると難しいかもしれません。SMG税理士事務所代表税理士・菅原由一氏著の『タピオカ屋はどこへいったのか?』は、「場末のスナックの稼ぎ方」や「携帯電話の契約が分かりづらいワケ」など、さまざまな「なぜ」をビジネスの視点から分析しています。日常にあふれるちょっとした疑問を題材に、ビジネスの思考回路を磨きましょう。
※本記事は菅原由一 著の書籍『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
コロッケ1個80円のお肉屋さんはどうやって儲けているのか?
事業者向けの販路を持つ
新しい事業を考えたいけど商圏が小さい。たくさんつくっても売上が伸びそうもない......。
そのような悩みを解決する方法の1つは、売り先を変えることです。
住宅街を歩いていると「どうやって生計を立てているのだろう」と心配になる小売店があります。例えば、1個80円のコロッケを売っている精肉店や、1枚50円の煎餅を売っている製菓店などです。
このタイプの店は、決して繁盛しているようには見えず、住宅街にありますので商圏のニーズも知れています。
しかし、立地条件が悪い中でも日々元気に営業しています。社長が豪邸に住んでいたり、外車に乗っていたりするくらい儲かっていることもあります。
その理由は、ご近所だけを相手にした商売ではないからです。消費者から見ると、精肉店などは一般消費者を対象とする事業(B to C事業)に見えますが、儲かっている店は事業者向けの販路(B to B事業)も持っています。
精肉店であれば焼肉店向けに肉を卸すなどして、小売とは別の収入源を持っていることが多いのです。また、駅や繁華街から離れているなど、立地が悪い分、賃料などを安く抑えることができます。