完全メシがヒットした理由
一体、なぜ「完全メシ」がここまでヒットしたのでしょうか?
こちらもまずはネーミングです。
栄養素とおいしさの完全なバランスを追求していることを表現するためにつけられたとのことですが、コンセプトがストレートにシンプルに表現されています。
もうひとつは、そのコンセプトが「普段からジャンクフードを食べることが多い『意識高くない』30~40代男性の心に刺さった」ということです。
彼らにとって「健康を意識した食品」は、味付けが薄かったりマズく感じられたりして、食欲がそそられません。しかし、20代の頃にはジャンクフードを思いっきり食べてきた彼らも、30代になると健康や体形の変化が気になってきたりする。
そんなターゲット層の「自分メンテナンス」の意識の高まりにぴったりマッチしたのが「完全メシ」がヒットした一番の理由ではないでしょうか?
「完全メシ」のパッケージや、お笑いタレントのサンシャイン池崎さんを起用したCMは非常に派手で、「意識高くない」層に刺さるジャンク感が満載です。
商品のバリエーションはカップライス、即席麺、スムージー、グラノーラに加えて、かつ丼、牛丼、ボロネーゼ、テリヤキチキンピザといったようなガッツリ系の冷凍食品が充実しています。
価格はインスタント食品としてはかなり高価格です。
「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」は429円(税込)。5種類をセレクトできる「冷凍完全メシ」のセットは4305円(税込)です。
それでも「意識高くない」層にとっては、慣れ親しんだメニューで栄養バランスが整っていて、しかも自炊よりはるかに簡単でおいしいわけですから、メリットは十分にあると言えます。
高くてもバカ売れするわけです。