政治参加は必要? 「政治ぎらい」な人へのアドバイス/幸せに生きるための政治

『幸せに生きるための政治』 (西田 亮介(著), 池上 彰(責任編集)/KADOKAWA)第9回【全9回】

物価も税金も高くなり、日々の暮らしがたいへんになっていく一方で、政治家がらみのさまざまなニュースを耳にする毎日。「このままじゃいけないんだろうけど、でも政治のことはやっぱりよくわからないし...」と過ごしている人も多いのでは? そんな人に向けて社会学者の西田亮介さんが身近な例を挙げてアドバイスし、池上彰さんが責任編集をした書籍『幸せに生きるための政治』(KADOKAWA)から一部抜粋してご紹介します。

※本記事は西田 亮介 (著), 池上 彰 (責任編集)の書籍『幸せに生きるための政治』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。


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※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)

投票所へ行くことだけが政治参加ではない。「政治ぎらい」な人へ〝西田流〟アドバイス

 「投票してもなにも変わらない」「自分の1票なんて関係ない」「政治なんて助けてくれない」と、多くの人が政治に背を向けています。

諦めている人や、面倒くさいし、ついでに言えば胡散臭い政治と無関係でありたいと思う人が増えているのでしょう。辟易する気持ちはよくわかります。

政治について理解しようとしたり、関心を持つのは誰がどう考えても、個々人にとってみればコスト高です。時間を奪われるし、考えるのも面倒。だから「どうでもいいや」と思うのもムリはありません。ただ好むと好まざるとに拘わらず、経済、ビジネス、教育、税金等々、われわれの社会と政治は深く結びついています。誰も関心を持たず、まったくチェックされないとすれば、あなたが政治家ならどうでしょう。最高ですよね! やりたい放題できてしまいます。なんだか、すでにちょっとそんな節がないでもない。

そんな政治家に嫌気がさし、ますます無関心を決め込むと、さらに世の中が無茶苦茶になる。日本社会は今そんな負のループに陥っているように感じます。

政権が変わっても主張する政策が変わっても、投票率はじめ、その他の政治参加や政治的関心についての指標は低調です。政治的諦念や諦観をデフォルトと見るべきにも思えてきます。

「政治参加すべき」というのは、まあその通りなんですけど、かといってどの程度のコストを払って政治をチェックしていくべきなんでしょうか。われわれの社会にはその相場観がどうも形成されていません。でも、もうちょっと監視したり参加したりしないと、さすがに今の状態はよくないような気がします。わりと冷笑的で、皮肉屋のぼくでさえそう思うのです。

 
※本記事は西田 亮介 (著), 池上 彰(責任編集)の書籍『幸せに生きるための政治』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。

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